2018年01月16日 14:44更新
去年、直江津の天王川と高田の流雪溝で行われた大規模火災の消火体制を検証する実証実験の結果が、15日報告された。どちらも消防用水として利用可能だが、さまざまな課題も指摘された。
11月に行われた天王川の実験では、関川の水を国土交通省のポンプ車で市街地を流れる天王川にくみ上げることで、約1㎞上流まで消防用水として利用できる水位まで上げられることが確認された。
一方で、実験が行われた時は潮が引いた状態だったためくみ上げに時間がかかり、水位が十分に上がるまで予想を40分もオーバーし85分かかったことが報告された。
さらに出席者からは、国土交通省のポンプ車が到着するまでにかかる時間が不明確なことや、くみ上げる水を適切にコントロールしないと天王川があふれて浸水被害が発生する危険性も指摘された。
12月に行われた流雪溝を使った実験では、儀明川から水をくみ上げ始めて約10分で消防用水として十分な水位に達したものの、季節によっては川の水が少なかったりくみ上げる場所に泥が堆積していたりして使えないことが報告された。
さらに会議では、流雪溝に水を流すルートの調整に時間がかかることや流雪溝に設置されている落下防止の柵のすきまに給水パイプが入らないといった課題も指摘された。
上越市の淺野克未危機管理監は「消防水利として不可能ではないが、消火栓や防火水槽より優先順位は低いと思う」と述べ、通常の消防水利ではなく大規模火災など特殊なケースで使用するとの認識を示した。
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