2017年12月01日 15:59更新

1日から始まった上越市議会12月定例会で、謙信公ゆかりの国宝の太刀「山鳥毛」の購入を断念した経緯や原因、今後の対応について質問が相次いだ。

初日の総括質疑には３人が立った。このうち上野公悦議員は、山鳥毛の購入を断念した理由と交渉の経緯、原因について質した。これに対し野澤朗教育長は、およそ２年間にわたる交渉の内容を、所有者と交わしたメールも明らかにしながら詳細に説明した。このなかで、野澤教育長が去年７月に所有者と直接面会した時に、金額は評価額の３億2,000万円以下であることや議会の議決が必要なことを話したうえで相手の意思を確認したとして、落ち度のない交渉だったことを強調した。

一方で、予算のうらづけがない状況では、契約書など公的な文書を交わせない制約があったことも説明し、結果として双方で金額に関して齟齬が生じたことが原因とした。そして「市民から期待を寄せてもらい、市議会から予算を認めてもらう中で、購入の約束を果たせことは事実。重く受け止め申し訳ない」と陳謝した。今後、教育委員会では購入断念に至った経緯など市のホームページや広報をはじめ、市民に直接説明することにしている。

また、総括質疑に先立ち選挙後初めてとなる村山市長の所信表明もおこなわれ、「選挙を通していただいた貴重なご意見をはじめ、市政に対する声を真摯に受け止めながら、丁寧に、誠実に、今後の市政運営に努める」と決意が語られた。

上越市議会12月定例会は、15日までの会期15日間で開かる。一般質門は８日からで、20人が質問する予定だ。