2025年01月27日 11:01更新
雪が積もるなか、地震で東京電力柏崎刈羽原子力発電所から放射性物資が放出される一方で、雪崩で一部の地域が孤立したことを想定した県の原子力防災訓練が25日(土)に上越市で行なわれました。冬場の原発事故を想定した大規模な訓練は初めてです。
訓練は、雪が積もるなか中越地方で震度6強の揺れを観測する地震が発生し、柏崎刈羽原子力発電所から放射性物質が放出される一方で、大島区の一部の地域が孤立した想定で行われました。県が冬場の事故を想定して大規模な訓練を行うのは、今回が初めてです。上越市の柿崎区、吉川区の全域と大島区、浦川原区、大潟区の一部は「UPZ」原発から30キロ圏内にあり、原発事故が起きた場合避難することになっています。
このうち孤立した大島区田麦では、住民を避難させるため、陸上自衛隊が雪で通れない道路を50メートルに渡り除雪しました。
このあと住民およそ20人が自衛隊の車両に乗り、大島就業改善センターに避難しました。
田麦の住民
「(原発事故)不安はあるが、高齢者集落なので事故が起きたと言われてもどうしようもない。今回のように車の手配や声をかけてもらえればできるだけ逃げたいとは思う。行政に頼るしかない」
一方で、住民からは実際に災害がおきたら訓練のようにスムーズに避難できるのか心配する声が上がっていました。
田麦の住民
「ことしも積雪は2メートルあり、多い年は5メートル以上も。崩れたら逃げ場がない」
訓練は花角知事や中川市長が視察しました。中川市長はさまざまな状況を想定した訓練と対策を考えていく必要があると話しました。
中川市長
「除雪作業自体はスムーズだったので、地形に慣れていなくても十分な作業ができると実感した。一方、実際に災害が起きるとどれくらいの範囲でどれくらいの量の作業が必要か、地形もいろいろ。訓練は繰り返さなければいけない。また、民間事業者が除雪する場合は放射性物質からどう守るかも課題」
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