2024年12月26日 15:09更新
114年前、日本にスキーの技術を伝えたオーストリア・ハンガリー帝国の軍人、レルヒ少佐が撮影した日本の風景写真などをまとめたアルバムが1冊の本になり、25日(水)に出版されました。スキー伝来だけでなく、当時の日本を垣間見ることができる歴史的な資料としても注目されています。
出版されたのは「テオドール・エドラー・フォン・レルヒ 思い出アルバム」です。
レルヒ少佐は1910年、明治43年に来日しおよそ2年間、上越市の高田や北海道の旭川などで軍隊の視察やスキーの指導をしました。この間、日本各地にも出かけ、自然や文化にも触れました。
本にはレルヒ少佐が滞在中に集めた絵ハガキや自ら撮影した写真など800枚が掲載されています。写真からは高田や関山、赤倉をはじめ、佐渡、日光、草津温泉など、100年以上前の日本の姿を見ることができます。
本を出版したのはレルヒ少佐の顕彰や一本杖スキーの伝承などに取り組む「レルヒの会」です。掲載されている絵ハガキや写真は元々、9冊のアルバムになっていましたが、発足60周年の記念事業として2年がかりでまとめました。
出版された12月25日はレルヒ少佐の命日です。
編集メンバーのひとり相澤紀さんは、「レルヒさんは、日本人以上に日本を愛し、日本を勉強していた」とあらためて偉業を称えていました。
レルヒの会の高橋会長は「当時の高田の情勢や日本の状態をレルヒと同じように実感することができる。スキーに親しむ人に、このようなことがあったから今があることをみてほしい」と話していました。
「テオドール・エドラー・フォン・レルヒ 思い出アルバム」はA4判198ページ。500部作られ、金谷山にあるスキー発祥記念館や市内の書店などで販売されています。価格は税込み2000円です。
本はすでに市内すべての小中学校や図書館などに贈呈されています。
「レルヒの会」
■問い合せ:℡025-523-3766
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