2024年11月05日 17:03更新
11月9日は、119番の日です。これにあわせてスマートフォンを使って火災や事故現場の映像を消防に送信する映像通報システムの訓練が、5日(火)に上越地域消防局で行われ、対応の手順などを確認しました。
映像通報システムでは、言葉では説明しづらい現場の状況を映像でリアルタイムで送ることができます。119番通報を受けた消防が、より詳しく状況を知りたい場合、通報した人のスマートフォンにショートメッセージで専用のURLを送ります。URLにアクセスするとスマートフォンのカメラが起動し、通報した人が撮影した映像が消防に送られます。
これにより消防は患者の容体や事故現場の状況を正確に把握でき、現場に居合わせた人にすみやかな対応を指示することができます。 このシステムは全国の消防で4年前から導入が始まっていて、上越地域消防局では今年9月から運用を開始しました。
訓練は交通事故でけが人が出ている想定と急病で心肺停止になった人がいる想定で行われました。
交通事故の訓練では、現場に居合わせた人から映像を送信してもらい、けがの程度や事故現場の状況を確認しました。映像は現場に向かう救急隊にも共有されるため、到着するまでに状況を確認し、到着後の活動手順などを決めるのに役立ちます。
また、急病で心肺停止になった人がいる訓練では消防に送られてきた映像で患者の様子を確認したうえで、正しい心肺蘇生法のサンプル動画を通報者に送り、救急隊が到着するまで心臓マッサージを続けるよう指示していました。
上越地域消防局によりますと、運用開始から2か月の間に、交通事故や、家族が心肺停止になった事例など、9件の利用があったということです。
上越地域消防局の佐藤和幸係長は「交通事故では今まで音声でしか伝えられなかったものが、詳細に車がどのようにぶつかって、どんなけがをしているか、つぶさに観察することができた」とその効果を高く評価していました。
一方で、通報者がスマートフォンの扱いに慣れていないため、利用に至らなかったケースも6件あったということです。
佐藤係長は「スマホ操作に不慣れな人にも指令員がていねいに説明しながら実施する。心配、不安にならず指令員の指示どおりに動いて。指示や要請があった時は落ち着いて協力してほしい」と呼びかけていました。
消防では、町内会の自主防災訓練などで体験会などを開いて、映像通報システムの認知度を上げていくことにしています。
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