2017年10月21日 19:34更新
去年夏の豪雨で被害を受け現在復旧工事が進んでいる春日山城跡の保全と活用をテーマにした講演会が、21日開かれ、地元住民らおよそ80人が地域の宝の今後のありかたについて考えた。
講演会は、地元の町内会などでつくる春日山城跡保存整備促進協議会が毎年開いている。今回のテーマは、防災の観点から見た春日山城跡の今後の整備あり方だ。講師は40年にわたって春日山城跡を見つめてきた学芸員の小島幸雄さんと春日山城跡の復旧工事で指導にあたっている新潟大学准教授の卜部厚志さんのふたり。まず小島さんが被害の状況を説明し、「崩れたのは風化して谷にたまっていた土で、山の本体は崩れていない」と写真を交えながら報告。
つづいて卜部さんが、斜面の崩落は雨が遊歩道に集中して流れ土のすきまに大量の水が流れ込んで発生した可能性が高いことを指摘。その上で、今後の防災対策のポイントとして、排水路の整備、維持、管理と土にすきまを作り崩落の原因となる急斜面の樹木の扱いを上げた。講演会のあとにはパネルディスカッションが行われ、「史跡を残すなら観光に使うべき」「小中学生の意識が高まり、積極的に保全活動に参加している」など、意見が交わされた。
なお、春日山城跡の復旧工事は、雪の降る時期までに終わる予定。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.