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上越市 地域協議会の実態は?委員へのアンケート結果

2022年08月11日 04:00更新

全国から注目されてきた上越市の地域自治区制度、28ある区を支えているのが地域協議会とその委員です。人口減少が進む中、今後の協議会はどうあるべきか、委員にきいたアンケートの内容が分かりました。

それによりますと、委員の8割にあたる人が自分たちの活動が住民に知られていないと感じていました。また、合併から17年が経つなか委員の高齢化が進み、今後の世代交代が課題として浮き彫りになっています。

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アンケートは立命館大学で地域社会について研究している德久恭子教授などの研究グループが、上越市の地域協議会の委員または委員経験者620人を対象に、去年11月から12月に行ないました。回答率は74%です。

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それによりますと、地域協議会の活動が住民にあまり知られていないと感じている人が82.0%にのぼりました。これを裏付けるように、研究グループが去年2月に市民を対象にしたアンケートでは、地域協議会の存在を知らないと答えた人は40.6%、地域活動支援事業を知らない人は63.6%を占めました。

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浦川原区地域協議会  藤田こうし 会長
「(知られてないと)よく感じる。組織は知っていても、どんな仕組みで浴しているか、そういうことは知られていない」

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吉川区地域協議会 山岸晃一 会長
「密着した課題を常に協議しているか。それが住民の認識の薄さにつながっていると思う」

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また、委員に対して「地域が主体的に取り組むべき事業」について質問したところ、「親睦・交流・まつり」と答えた人がもっとも多く61.2%、次いで「防犯・防災」が43.0%でした。

一方市民アンケートでは、子育てや介護など生活に身近な福祉の充実を求める声が多く、協議会の役割にズレが生じている状況がうかがえます。

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立命館大学 德久恭子 教授
「住民が期待する項目が出てこないのは問題。今の地域協議会は、いろいろな世代の声が入るのか。また、構成はそれを保障するのかなど考えてほしい」

今回のアンケートでは、回答者の84.6%が60代以上で、委員の高齢化が進んでいることも浮かび上がりました。德久教授は、合併を経験したまちづくりに熱心な世代が、高齢になっても協議会の中心を担っていること、逆に若い年代や女性が少ない事を課題にあげました。

立命館大学 德久恭子 教授
「熱心な世代はもうすぐリタイアになる、今がタイムリミット。世代交代を図っていかないと地域が続かない」

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吉川区地域協議会 山岸晃一 会長
「鋭い指摘。ビジョンばかり作っていても進まない。住民が求めている福祉関係をしてきたかと自問自答した。任期中にやらなくてはいけない課題を再認識した」

浦川原区地域協議会 藤田こうし 会長
「今、(住民は)他人任せ。役目を話して納得した上で(委員に)出てもらうことが大事」

また、協議会でもっとも審議に時間をかけるべきは地域の課題など自主的な審議だと61.8%の人が答えた一方で、実際に時間をかけているのは地域活動支援事業の採択だと48.4%の人が答えています。委員の複雑な心中が垣間見える結果となりました。

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德久教授は「上越市の地域自治区制度は、地域のことは地域で決める制度で『決める』が重要視され、自己目的化している。そのため、何のために決めているのかが弱い。住民に必要な分野を助ける、実働(できる)体制づくりが今後の課題」と話します。

研究グループではほかにも、13区の住民組織と、総合事務所とまちづくりセンターを対象にしたアンケートを行っていて、今後4つの調査結果をまとめた本を出版するということです。

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