2021年04月27日 11:00更新

佐渡島内では4月15日をピークに五穀豊穣や無病息災などを祈り、伝統文化の鬼太鼓を奉納し、各家を回る春祭りが行われています。　

去年は新型コロナウイルスの影響で中止や縮小を余儀なくされましたが、伝統をどうにか絶やすまいと工夫をしながら今年の実施を決めた地域もあります。そのひとつが佐渡市の両津地区秋津集落です。

雨が降りしきる4月17日。佐渡市の両津地区秋津にある熱田神社には、2年ぶりの春祭りを心待ちにした住民らが集まりました。

お宮の中で行う神事式は、マスクの着用や手指の消毒など感染症対策を行ったうで、屋外で執り行われました。

去年は、新型コロナウイルスの影響で門付け、お宮での神事式など祭り行事のすべての中止を決めた秋津の集落。今年も当初は祭りの中止を計画していましたが、無病息災の願いを込めてお宮での奉納だけでも実施したいという声が高まり、縮小しての実施を決めました。

例年は140戸の家々を2組の鬼太鼓が門付けして回りますが、今年は1組がお宮で奉納をするのみに。祭りまでの稽古も密集を避けるため参加人数を絞り、日数も例年の5分の1ほどに。

門付けは中止になりましたが、2年ぶりに太鼓の音が響きわたりました。あいにくの雨で爽やかな景色とのコントラストは望めませんでしたが、関係者は祭りが実施できる喜びを感じながら、鬼の舞に思いを込めていました。また今回は、多くの人に祭りの様子を見てほしいとSNSで動画をライブ配信する取り組みも行われました。

住民
「コロナ禍で今年も開催が難しいかと思いましたが、開催できて子どもたちも喜んでいてよかったです」　　　　　　

熱田神社　笹本 芳廣 宮司
「鬼太鼓の舞が戻り、神社としてはうれしいです。コロナがどうなるか分かりませんが、工夫して新しい姿を見出してもらいたいです」

秋津鬼太鼓保存会メンバー　
「祭りを開催することに色々な声がありましたが、話しあいをもち、密をさけながら実施が決まった。来年こそは盛大に祭りができるよう思いを込めました」

縮小しながらも伝統を継承したいという想いが作った祭りの一日。来年こそは盛大に実施できることを住民は願っています。

佐渡テレビジョン