2020年10月20日 21:01更新

慢性的な赤字に陥っている直江津･小木航路で、経費節減のために高速カーフェリー「あかね」を売却して新しくジェットフォイルを導入するとしていた佐渡汽船は、経営難などの理由からその方針をとりやめ、新潟･両津間で運航しているジェットフォイル「ぎんが」を充てることがわかった。

これは20日に開かれた上越市議会文教経済常任委員会で明らかになった。

しかし、ジェットフォイルでは車や貨物を運ぶことができない。このため、上越市の村山市長は、今月中に県知事、佐渡市長、佐渡汽船との四者会談に臨み、できるだけ早い時期にカーフェリーの導入を求める方針だ。

これについて、委員会からはもっと踏み込んだ要望をするべきではないかとの指摘があがった。 

これに対し野澤副市長は「立場的に、ここまで言っていいのかというほどの要望はしている」としたうえで、「佐渡汽船の経営難は赤字を埋めればいいだけではない。根本は県が大株主であり、ジャッジすることが求められる」と述べた。

産業観光交流部の小田基史部長は「口頭では反古にされることも考えられる。お互いに約束したことは履行するべき」「市の立場が弱いと言っているわけではない。できる限り要請を固い表現にしていきたい」と述べた。

また委員会では、上越市の要望通りカーフェリーの復帰が実現した場合、観光戦略はどうあるべきか指摘する声もあがった。

小田部長は「（世界遺産も想定される）佐渡金銀山や佐渡島内の宿泊のキャパなども踏まえ、上越市も機会の損失にならないよう、両市で一緒に取り組んでいきたい」と話した。