2016年10月29日 19:36更新
妙高市関山神社の隣にあり、観賞上価値が高いとして国の名勝地に選ばれている旧関山宝蔵院庭園跡、「滝石組み」の復元工事が終わり、10月29日に一般公開された。当日は実験的に滝に水が流され、庭園本来の姿が約150年ぶりに甦った。
関山宝蔵院は関山神社の北に隣接した天台宗の寺院で、江戸時代には妙高山麓一帯の領地をもち、神社の祭礼なども行っていた。明治時代になり、政府が出した神社と寺院を分ける神仏分離令によって寺はなくなったが、庭園部分は現在も姿を残している。庭園にはかつて池があり、石組みの上からは滝が流れていたとされている。その姿と、妙高山を背景に取り入れた姿が評価され、3年前には国指定の名勝地に選ばれた。妙高市では去年から発掘調査と滝の部分の石組みの復元工事に着手したが、滝が流れていたころの姿がわかる資料もなく、石組みは崩落した箇所もあったため、作業は困難を極めたという。
この日はあいにくの天気で妙高山が背景に見える「借景」は見えなかったものの地元住民や歴史ファンなど約50人が訪れた。バケツに汲んだ水が実験的に流され、当時の滝の姿が約150年ぶりに甦った。
妙高市では来年度以降に水路や滝のまわりを復元する方針。滝の水を流す庭園の一般公開は11月5日土曜日にも開催される。