2017年12月03日 15:31更新
冬場に使う流雪溝を消火活動に使えるかどうか検証する実験が3日、上越市仲町で行われた。
これは糸魚川市のような大規模火災が起きた時に備えようと、上越市と上越地域消防事務組合などが企画した。
儀明川の水を汲みあげる水門
実験のポイントは、水をすばやく十分な量まで確保できるかどうかだ。
この日は、儀明川の水をポンプで汲みあげ、冬場と同じ手順で流雪溝に流した。ポンプの最大能力は毎秒100リットル、これは2秒でドラム缶1本を満たせる水量だという。
流雪溝から消防ホースに水をリレー
実験は仲町2~4丁目の流雪溝830メートルで実施、4か所で水の到達時間や水量を調べた。
近所の人たちが見守る中、水が流れていく
結果は、ポンプ起動から830メートル先に水が届くまで10分27秒かかった。水量は幅が60センチある流雪溝で、消火に十分な水深30センチを4か所すべてで確保できた。地元の住民からは、「なかなか流れが速い、これはイケるね」といった声がきかれた。
放水した際の水圧も計測
結果をうけて、上越市の淺野(あさの)克未危機管理監は、『十分な水量水圧があった。いざというときに十分使えることを証明できた。』と満足げに話していた。
淺野(あさの)克未危機管理監
流雪溝の水は大きな火災が起きた時、応援で駆けつける消防車向けに活用される見込み。
ただ気がかりなのは、いつも儀明川に十分な水があるかという点。
冬場は従来通り雪かき用に確保されるが、春の農業用水~夏の渇水期などは不安が残るという。実験を見守った仲町3丁目町内会の川崎幹彦会長は、「流雪溝が使えて安心したが、火の用心は怠らず努めていきたい」と話していた。
この結果をうけ、上越市・上越地域消防事務組合では、来年1月に検証会議を開き、さらに詳しく分析する予定だ。
土のうを流雪溝に沈め、水をせき止める実験もあったが…
流れが速いため土のうの中身が流出、十分には機能しなかった。今後の検証課題になる。
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