2024年11月06日 18:03更新
「助からなければ今、苦しくない」。ことし9月、上越市の公立小学校で起きた食物アレルギー事故で一時、入院した小学1年生の男子のことばです。事故から2か月、児童は給食を怖がりこれまでのように授業を受けることができない状況が続いています。保護者は学校が児童に薬を飲ませなかったなどマニュアル通りに対応していなかったとして、謝罪や再発防止などを求める要請書を6日(水)上越市教育委員会に提出しました。
保護者
「(再び登校するため)安全な環境を作ってほしいと何回か(学校と)話をしていたが、結果にならず(改善されず)途方に暮れていた」
これは6日開かれた児童の保護者と弁護士の会見で明らかになりました。この事故はことし9月、小学1年生の男子が給食のあと首の周りに湿疹が現われ、かゆみを訴えるアレルギー症状が出て、市内の病院に運ばれ一時、入院したものです。
市のマニュアルではアレルギー症状が出始めた場合などは5分以内に判断し、程度が軽い場合は薬を飲ませる、程度が重い場合は症状を抑えるエピペンを打つことになっています。当時、保護者は学級担任から連絡をもらってから50分後、学校に到着して児童の体を確認すると湿疹は全身にまで広がっていました。このときまで学校は薬やエピペンは使っていません。保護者がすぐに薬を飲ませましたが、腹痛を訴えるなどしたため、保護者がエピペンを打ちました。保護者は学校がマニュアルに沿って適切に行動していなかったと指摘しています。
保護者
「(学校からの電話)かゆがっているだけ。重症になっているとは思わず。しっかりと症状 伝えてほしかった。『薬やエピペンを』と言えたが、そのような連絡ではなかった。不信感。信用ができない」
また原因について上越市教育委員会は児童のひじがアレルギー成分の卵を含むかきたま汁が入った食器に触れたためとしています。しかし主治医が児童の皮膚に卵を触れさせても症状は出ませんでした。保護者によりますと事故のあと児童は給食を怖がるなど学校に通えない状態が続いていました。今週からようやく通えるようになりましたが、これまでのように授業を受けたり給食を食べたりはできていません。
保護者
「自分が卵アレルギーだったから事故が起きた 自分が悪い。『助からなければ今苦しくない』と本人から聞いている。今は1時間ほど登校」
こうしたことから保護者は、謝罪や公表された事故の経緯の訂正と原因究明、児童が再び学校に通うための支援、再発防止などを求めて6日、弁護士を通じて教育委員会に要請書を手渡しました。教育委員会は事故のあと、状況を確認・検証して公表するとしていますが、まだ行われていません。教育委員会では要請書の内容を確認し、必要に応じて保護者と弁護士の3者で話をする機会を設けることにしています。
保護者
「日常生活を取り戻せるようにケアをして、本人のために考えた行動をしてほしい。起きてしまった事故に目を向けるだけでなく、今後事故を防ぐためにアレルギーのマニュアルに対応してほしい」
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