2024年10月02日 16:30更新
この秋、県内ではツキノワグマのエサとなるブナの実が不作であることがわかりました。県では里山付近のクリ林やコナラ林でツキノワグマが出没する可能性があるとして注意を呼び掛けています。
豊凶調査結果(確報)
凶作:結実は認められない
不作:わずかに結実
県は今年8月、ブナやミズナラなどクマのエサとなる5種類の樹木の実のなり方を県内204地点で目視で確認しました。それによりますと、県内全体では、主に山奥に分布しているブナは不作で、人里に近い所に分布するクリ、コナラ、ミズナラ、オニグルミは並作でした。上越地域ではブナとミズナラが不作でした。
2021年5月 上越市五智
こうした結果から今秋は、山奥でブナ林を中心に活動するクマが、隣接する標高の低いクリ林やコナラ林で出没する可能性が高いとしています。県では9月30日にクマ出没警戒注意報を11月30日まで延長し、クマの出没が確認されている所には近づかないことや、早朝や夕方に山に入るのを避けるなど、クマに注意するよう呼びかけています。
県によりますと今年9月27日現在、県内のクマの目撃情報は722件で4人が被害にあっています。上越市では9月30日現在、クマの目撃件数は65件(去年1年間74件)です。
新潟大学の箕口秀夫教授は「(クマの報告数は)ここ2年は微増している。この傾向は、クマの生息域が拡大して、私たちの普段の生活域に近づいているためで、今年度の8月までクマの報告数が過去最多を示したのは、この傾向を反映しているものと考えられる。昨年のような秋季餌条件が著しく劣悪な状況ではない。ただし、ブナが不作から並作の場合、地域、場所によって結実状況が大きく異なっており、シイナと呼ばれる中身が空の種子が多い可能性もある。また、ナラ枯れや不順な天候により、供給される堅果の質、量が劣化減少することも懸念される。したがって、クマの生息域が人里近くに広がっていることもあり、人里、市街地への出没に引き続き十分に注意する必要がある」とコメントしています。
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