2024年08月28日 18:15更新
国の絶滅危惧種、「オニバス」の復活を目指す上越市三和区の市民団体「三和の自然と地域を育む会」がことし、上越市立美守小学校にあるため池に初めて芽を植えて花を咲かせることに成功しました。
会では咲いた要因について、ため池の底には土があり、時間帯によっては木陰になるため、水温が上がり過ぎなかったためとみています。
オニバスの芽を美守小学校のため池に植えたのは、「三和の自然と地域を育む会」です。かつて三和区の谷内池に群生していた国の絶滅危惧種、「オニバス」の復活を目指し、「新潟県生態研究会」や上越市立三和中学校と協力しながら3年前、三和中学校のプールで初めてオニバスを咲かせました。
上越市立三和中学校のプール 今年咲いたオニバス
今年はオニバスが咲く環境をさらに詳しく調べるため、初めて美守小学校のため池にも芽を植えました。
ため池の大きさは縦2メートル、横2メートル、深さは30センチで、プールと比べて70センチほど浅くなっています。池にはプールにはない泥があり、周りには木があって時間帯によって日陰になります。
三和の自然と地域を育む会 佐藤正春 会長
「美守小学校に持ってきたのは子どもに見てもらいたいと思ったから。ここは水温が急に上がったりしない。水温と水深の状況が良かった」
会では今年6月、オニバスの芽を2つため池に植えました。学校では髙波英里 校長がため池の水が減ると水を足してきました。その甲斐があり、今月21日に水面に紫色の花が1つ咲きました。
美守小学校 髙波英里 校長
「見つけた時は、『あっ、咲いた』って感じだった。いつものように学校の見守りしていたらたまたま1つ咲いているのを見つけた。ここに来たことで子どもたちにオニバスの存在が身近になった。2学期が始まったのでこの様子をみんなで観察していく」
三和の自然と地域を育む会 佐藤正春 会長
「この環境がマッチしていた。この状況を大事にしていきたい。今、虫が付いているけど、駆除も考えながら観察している最中」
ため池には水面に顔を出しているつぼみがさらに2つあり、今後も咲くことが期待されています。
会では今年も三和中学校のプールで花を咲かせることに成功しました。一方、谷内池での開花も目指し、池の底から種を取り出して日当たりのいい浅瀬に移し替えました。
しかし、夏に水温が上がったことや虫が大量発生し、葉が食べられてしまったため残念ながら花は咲きませんでした。佐藤会長は来年は今年の経験を生かし、オニバスに影響を与えるジュンサイやハスを早めに回収し、来年は谷内池に花を咲かせたいと話していました。
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