2024年06月17日 11:50更新
能登半島地震で防災意識が高まっていることを受け、「こども食堂」を運営する団体などを対象にした防災研修会が県内で初めて上越市で開かれました。防災研修会は、NPO法人「くびき野NPOサポートセンター」が運営する「新潟こども食堂・居場所ネットワークにこねっと」が県内で初めて開きました。
参加したのは上越地域でこども食堂を運営する団体や子どもが参加するイベントの関係者などおよそ40人です。
講師は、こども食堂向けの防災マニュアルを作った東京のNPO法人「むすびえこども食堂防災拠点化プロジェクト」の久保井千歳さんが務めました。 研修会ではこども食堂が開かれている日に火災が起きたことを想定し、初期消火や子どもを誘導する手順を確認しました。
子どもは災害が起きると不安などからふだんとは違う行動を起こす場合があります。 訓練では、そういった子どもに対してどのような対応をしていけばいいのかわからず、うまく避難誘導できない場面もありました。また久保井さんは災害時に子どもを保護者に素早く引き渡すため、名簿を作るよう呼びかけました。名簿を作るにはふだんからこども食堂に参加する人たちの名前や連絡先などをまとめておく必要があります。その際に、様々な理由で記入を嫌がる方がいたら、「名簿」や「リスト」ではなく「緊急時連絡先」にするなど表現を変えるだけで協力してもらえることが多いとアドバイスを送りました。このほか参加者は、こども食堂が災害時にできることを学びました。久保井さんは、こども食堂にはまとまった人数の食事を作る調理器具があるため、災害時、地域の人たちに食事を提供できるとして、能登半島地震での様子を紹介しました。これは炊き出しの様子です。能登半島地震の際は3か月経った後も暖かいご飯を食べることのできない地域があったそうです。その時に、定期的に炊き出しを行っている町内会や、継続的に大量調理を行っているこども食堂の経験は役に立つと気が付いたと言います。
参加者
「開催中に災害が起きたらどうしようかという不安があった。まずは名簿の作成をしようと思う。避難時に子どもたちが慌ててしまった時の対応など考えていかなくてはいけない」
「避難時にパニックになる子は実際にいると思う。対応を考えていきたいし、これからの時期は水分補給なども考えなくてはならない」
「新潟こども食堂・居場所ネットワークにこねっと」では災害時のこども食堂の運営方法などについて相談を受け付けています。詳しくはくびき野NPOサポートセンターまでお問い合わせください。
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