2023年11月16日 18:29更新
上越観光に欠かせないシンボル「上杉謙信公」。その拠点である春日山城跡と埋蔵文化財センターの間を一般車両が入れないようにして、山城としてのブランドイメージを高めるなどの計画を、上越市が検討していることが分かりました。
これは15日(水)に開かれた「上越市議会通年・広域観光推進特別委員会」で示されました。上越市は、観桜会や海水浴などの季節型観光からの脱却をめざそうと、通年で観光できるエリアを直江津、春日山、高田の3地区を中心に整備する計画づくりに取組んでいます。
上越市文化観光部 阿部俊和部長
「数値的な目標は、3エリアの月別観光客数を、2030年度に令和元年度(コロナ前)の1.3倍にすること」
資料:埋蔵文化財センター前
計画のうち春日山エリアでは、埋蔵文化財センターから春日山城跡までの一般車両の進入を禁止とし「気軽に立ち入ることができない山城」としてブランディングする計画です。 これに対し、委員会では疑問の声があがりました。
委員
「通年で交通規制をかけると、逆に客足が遠のくのではないか。不便。道路が混んでいないのに、埋蔵文化財センターで降りてシャトルバスに乗り換えるのは違和感がある」
上越市魅力創造課 渡来美香課長
「春日山城は(昔は)立ち入ることができない戦うための山城だった。春日山に足を踏み入れること自体も素晴らしい体験で、価値があると訪れた人に思ってもらいたい」
計画では、埋蔵文化財センターやものがたり館は、飲食店や物産店などを加えた観光拠点にリニューアルされます。
資料:船見公園
直江津エリアでは、鉄道遺産の国の文化財登録をめざし、D51レールパークを鉄道博物館として整備するほか、船見公園などで海辺や夕日を生かした観光スポットの可能性を探る社会実験を行う計画です。
資料:浄興寺
高田エリアでは、高田城枡形門を復元的に整備できるかの調査研究や、浄興寺大門通りで門前通りのイメージにあわせた道路や電柱などの整備に取り組みます。
ことし8月 市長と市民の対話集会
通年観光の実現は、中川市長が重要な公約のひとつとして力を入れています。計画を立てるにあたり、市長はことし8月、直江津・春日山・高田それぞれで、対話集会を開き、市民の声をききました。
これを踏まえて、委員からは、計画に市民の意見が反映されているかを問う声があがりました。
委員
「町家雁木(整備)は、なぜ主な施策に入れないのか」
上越市魅力創造課 渡来美香課長
「市民活動がすでに根付き動き始め、次のステップに進んでいる。現在の市民活動をいかに継続して高めていくかが重要」
委員
「市民が動いているなら、行政も動くのが協働ではないか」
市はこの計画を、来年度から2030年度までの7年をかけてすすめる方針で、全体の事業費として50億円を見込んでいます。
委員
「(観光客の誘導)『3地域から13区へのシャワー効果』とは何か。企画会社が入っているからよくまとまっているが、中身はスカスカで具体性がない」
「調査研究で7年もやるのか。これでは前に進まない」
計画の最終案は、来年1月に発表される予定です。
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