2023年10月10日 15:33更新
妙高山麓の地下2000メートル付近にある地熱を生かした発電ができるかどうかを探ろうと、今年の春から夏にかけて赤倉温泉・新赤倉温泉地区で、地面を掘る調査が初めて行われました。今回の調査では地下には発電に必要な蒸気が確認できず、調査は来年度も続けられることになりました。
これは、このほど開かれた妙高市の温泉組合などでつくる妙高山地熱連絡会で報告されました。地熱発電は、地下2000メートルからおよそ200度の蒸気をくみ上げ、蒸気の力でタービンを回す仕組みです。
調査を行っているのは大手ゼネコンの大林組と、地盤調査会社の基礎地盤コンサルタンツです。実際に地面を掘る調査が今年6月から8月にかけて赤倉温泉・新赤倉温泉地区の白田切川中流域付近で初めて行なわれました。
調査では地下2300メートルまで掘り、実際に蒸気をくみ上げられるか探りました。その結果、地熱発電に適した地質であることや熱の温度上昇は確認できましたが、水脈を掘り当てられず、来年度はさらに深く掘削するなど調査を継続することになりました。
また今年度は同じ地区内の別の場所でも地面を掘る調査を予定していました。しかし北海道で、別の会社が同様の地熱発電に向けた掘削調査中に、有毒なガス、硫化水素が漏れ出したため、妙高市での掘削調査は、工事の安全性を再確認するため来年度に延期しました。
大林組 田中達也部長
「流体(水)について、もう少し確認したい。ことし掘った井戸をもう少し深く掘るか、違う方向に追加して掘るか計画中」
地熱発電は、二酸化炭素をほとんど排出しない点などから、再生可能エネルギーとして注目されています。今回、掘削調査は延期となりましたが、当初の計画通り、2030年の発電を目指して事業が進められる方針です。
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