2022年08月31日 19:03更新
上越市の中川市長は、来年度から地域活動支援事業を廃止します。その代わり、来年度から自治区ごとに「地域独自の予算」を導入する方針です。この制度では、地域協議会に限らずやる気があれば誰でも地域づくり活動の取り組みを市に提案できるようになります。
制度ががらりと変わる中、地域づくりはどうなるのでしょうか? 地域での話し合いがどこまで進んでいるか? 混乱はないのか?
頸城区地域協議会は地域の団体と意見交換をしたうえで議論を重ね、予算の提案を目指しています。
小型蒸気機関車コッペル号でおなじみくびき野レールパークの整備、そのコッペル号を主人公にした絵本の制作、坂口記念館でのガーデニングやそば打ち講座など。どれも頸城区の地域活動支援事業です。
昨年度は717万円の予算が市から配分され、まちづくり事業など11件に活用されました。
なかでも、補助金が多かった上位3つは、
・頸城中学校の体育館をスポーツ振興に活用する事業
・頸城の伝説を絵本にして、読み聞かせに活用する事業
・国登録有形文化財の白田邸を整備して観光に活用する事業でした。
まちづくりの一翼を担ってきた地域活動支援事業ですが、中川市長の方針で来年度から廃止されます。その代わり市長は、自治区ごとに「地域独自の予算」を配分する方針です。(流れは下の図を参照)
今年度は、その中に「元気事業」と呼ばれる枠があり、中川市長は来月末までに地域協議会に提案するよう求めています。締め切りが1か月後に迫る中、頸城区地域協議会の話し合いはどこまで進んだのでしょうか?
頸城区地域協議会 上村閨一会長
「残酷だ、大事な税金の配分を短時間で結論を出すことは。早急に9月のタイムリミットに向けて、予算取りに走る」
必ず予算をもらう!そのために、協議会では地元にどんな魅力があるか。またどんなまちにしたいか意見を出しあってきました。
委員「自然を生かしたレジャーを充実させたい。大池がせっかくあるので」
委員「保育園から中学校までの交流ができたら。中学校に外国籍の子どもが入学し、いろんな年代や国籍の人が楽しめて、災害時にコミュニケーションが取れる場所になるといい」
活発な意見が飛び交いました。
その結果、まちづくりの事業テーマが4つ決まりました。
①「大池・小池を生かした観光」
②「レールパークなど地域の宝の活用」
③「季節の花が咲く通学路やポケットパーク」
④「外国人の交流とファーマーズマーケット」です。
なかでも、④は区内の工業団地で外国人300人以上が働いていることから発想しました。
地域づくりのためには、区内の産業経済など社会状勢を知らなくてはならない、これまでになかった視点です。
頸城区地域協議会 上村閨一会長
「(市内で外国人が)断トツに多いのが頸城区。ある町内では子どもたちと生の外国語を勉強。2~3年前からやっている。それを頸城全体に広げる。自信をもって将来、外国で活躍できるような未来像を描く」
市長の方針では、地域独自の予算は誰でもやる気があれば行政に提案できるとしています。そうした中、頸城区の地域協議会では、住民団体などとの関係を大切にして話し合いを重ねてきました。
そして、前向きな対話が具体的な成果を生みます。
協議会が決めた4つのテーマごとに、16の事業案がまとまったのです。上村閨一会長は、自分たちの住む町をどうしたいのか?住民と危機感を共有できたからこそと胸を張ります。
頸城区地域協議会 上村閨一会長
「予算が成立した暁には(各団体と)チームワークを組む。協議会はボランティアとか言っていられない。できるだけ目的を達成するため、側面で頑張りたい。ワクワクしている」
事業案は、9月末の締切りまでに頸城区総合事務所に提出します。
予算化が叶ったら、協議会では住民団体といっしょに「住みたい 訪れたいまち 頸城区」の実現へ一歩を踏み出します。
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