2022年07月24日 11:11更新
JCVの生活情報番組「すまいるone」。7月17日~7月23日の放送は「佐渡特集 第3弾 佐渡の魅力を上越で!」前編です。上越にいながら佐渡の魅力を感じられるグルメやお酒を紹介します。
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【立原酒店】
上越にはおいしい地酒がたくさんありますが、佐渡にもおいしい日本酒が沢山あります。
佐渡のちょっと珍しい地酒を販売しているのが、上越市栄町にある「立原酒店」です。
ジャズが静かに流れる店内にはさまざまな銘柄の日本酒が並び、時間を忘れて好みの酒が選べます。
創業当時の写真
同店は明治43年創業。創業当時は長年の付き合いが信用につながる時代だったため、有名な酒や人気の銘柄を取り扱うことができず、酒のほかに醤油や食品、雑貨なども取り扱っていました。昭和の終わりごろ、バブルと新潟の地酒ブームとなったことで、幅広いお酒を取り扱えるようになり、酒の専門店として営業するようになりました。
こちらでは、あまりほかでは取り扱っていない佐渡の酒を販売しています。
それが加藤酒造店の「金鶴」です。
佐渡の中でも小さな酒蔵で、数量も限って生産されているので、島の中で消費される割合が多く、島外になかなか出回らない酒といわれています。
加藤酒造店 本店(佐渡市沢根地区)
金鶴を製造している加藤酒造店は、大正4年創業で今年108年目を迎えた酒蔵です。
加藤酒造店 製造場(佐渡市金井地区)
金井地区から10キロほど離れた沢根地区で酒づくりを始めましたが、昭和39年に起きた新潟地震の影響を受けて、酒づくりに欠かせない水質が大きく変わってしまいました。その環境のなか、工夫を重ねて酒づくりを続けましたが酒の品質をより高めたいという思いから、金井地区の良質の水と出会ったことで平成5年に蔵をまるごと移転しました。
金鶴という銘柄名は、佐渡金山の一文字「金」と加藤家の近くにあった鶴子銀山という山の名前から「鶴」をもらって、金鶴と名付けられました。
こちらの酒蔵ではあまり多く作りすぎると、手の届かないところ、目の行き届かない部分が出てくることから、酒の品質を保つために生産数を限定して、価値観を共有できる販売店でのみ販売しています。
立原酒店と金鶴との出会いのきっかけは、30年ほど前の酒屋の勉強会でした。店主の立原章宏さんは、その勉強会で初めて金鶴という銘柄を知り、その後に新潟を代表する日本酒イベント「新潟酒の陣」で初めて金鶴を口にして、そのおいしさに感激しました。
その後もことあるごとに金鶴にふれる機会があり、金鶴を製造している加藤酒造店について調べてみると、農家と二人三脚で米づくりや酒づくりを行っている酒蔵で、地元の人たちから支持されていることを知り、ぜひ店で取り扱ってみたいと思ったと立原さんは話します。
左:立原章宏さん
それから電話や手紙で金鶴のすばらしさと熱意をアピールしましたが、取引はなかなか実現しませんでした。手紙だけでは熱意が伝わらないと思った立原さんは、フェリーに乗って佐渡へ。加藤酒造店の社長に話を聞いてもらいましたが、良い返事は聞けませんでした。
それから1年後、原料となる米の生産量を増やせるようになり、立原酒店でも金鶴を取り扱えるようになったということです。それ以来、10年ほど付き合いは続いていて、立原さんは蔵元での酒づくりや、佐渡産の酒米づくりにも参加しています。
金鶴 本醸造 720ml 937円(税込)
「金鶴 本醸造」は金鶴のスタンダード酒の中で、上級タイプの酒です。
スッキリとしたキレのある辛口で、のど越しの良さも魅力で、米の旨みも感じられます。冷やでも熱燗でも、常温でもおいしく、立原さんによると、酒の温度によって、相性のいいおつまみが変わってくるとか。冷やであれば淡白な白身の刺身や冷奴、枝豆などのあっさりとしたものが合い、熱燗であれば肉料理との相性もいいということです。
金鶴 風和 純米吟醸生酒 720ml 1579円(税込)
こちらは夏の限定酒です。厳冬期に純米吟醸酒を醸して、それを3月の終わりに搾り、瓶詰めしてマイナス5度の冷凍コンテナの中に貯蔵することで、夏のこの時期にフレッシュな状態の酒を飲むことができます。
発酵由来のシュワシュワとした微炭酸が残っていて、フルーティーな味わい。辛口で後味がさわやかなので、揚げ物やイタリアンなどの洋食にも合うということです。
「シンプルでクセがなく、気軽に飲んでもらいたい」そんな思いが詰まった金鶴は、陰ながら幅広く愛されている日本酒です。お酒が得意じゃない人や日本酒初心者、女性でも飲みやすい味わいも魅力です。
店主 立原章宏さん
「肩の力を抜いて自然なスタイルで無理をせず、それでも一生懸命に金鶴の魅力を伝えて行きたいし、私も金鶴の酒造りを体験して、その良さをまた皆さんに伝えていくことをこれからも続けていきます。これから暑い季節になりますが、キリっと冷やしたお酒をいろいろと用意しておりますので、そういったお酒を飲んで、あすへの糧にしていただければと思います。新潟の地酒を皆さんにもっと飲んでいただけたらうれしいですね」
立原酒店
■住所:上越市栄町3-2
■電話:TEL025-523-2716
■営業時間:平日 8:00~21:00/日曜・祝日 9:00~19:00
■定休日:不定休
■ホームページ:http://www.tachiharasaketen.com/
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