2022年04月23日 00:00更新
上越保健所管内で新型コロナウイルスの感染者が高止まりする中、10代以下の感染者が全体の4割を超えています。上越市は、ワクチンの接種が有効な感染対策になるとしていますが、専門家は副反応に不安をもつ保護者に対し、ワクチンの有効性を丁寧に説明することが重要だと話しています。
これは20日に開かれた上越市の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で明らかになりました。
それによりますと、上越保健所管内での感染状況は、ことし1月5日からの1週間は31人でしたが、その後増え続け、4月中旬には初めて300人を超え、そのまま高止まりしています。
そうした中、10代以下の感染が拡大しています。1月5日からの1週間は29%でしたが、3月2日からの1週間では49%と、感染者の半数近くを占めています。直近の4月13日からの1週間でも、10代以下が44%と子どもへの感染が広がっています。
上越医師会 林三樹夫理事
「鼻水は出るが熱は出ない。その時点でウイルスを排泄している。『鼻水程度ならいいや』と子ども同士が接触しているかも。ある小学校だけの流行ではなく、どの小学校でも患者が発生する。学校以外でのスポーツ・文化活動で異なる学校の児童同士の感染があり、面的な広がりにつながっている」
一方、上越市で3回目のワクチン接種を終えた人は18歳以上の69%まで進んでいます。一方、5歳から11歳でみると3月7日から始まった接種のうち、1回目を終えたのは1030人で対象の9.9%、2回目が271人で2.6%に留まっています。
子どもへのワクチン接種が進まない理由について、上越医師会の林三樹夫理事は、副反応を心配する保護者が接種を迷っていると話しました。
上越医師会 林三樹夫理事
「(副反応)第1に心臓の炎症『心筋炎』があり、100万人あたり男子は4人、女子は2人で、大人の100分の1の発生率。症状も軽くすんでいる。リスクは少ない」
そのうえで、ワクチンの有効性と副反応を丁寧に説明する必要があると呼びかけました。上越市での5歳から11歳までのワクチン接種は、ことし9月まで対応しています。
上越医師会 林三樹夫理事
「感染後に集中力低下、頭痛が続く、味覚低下で食欲が落ちて体重が増えないといった症状がある。予防するためにワクチン接種を考えてほしい」
子どもを登校させる判断は
家庭での感染も広がる中、子どもを登校させていいかどうか、判断に迷うご家庭もあるかと思います。上越市教育委員会の田邊道行副課長に聞きました。
上越市教育委員会 田邊道行副課長
「(児童生徒の感染者)去年4~12月はポツリポツリ。ことし2月、爆発的に増えた」
市によりますと、上越保健所管内でことし1月から発生したクラスターの数は42件、このうち半数の21件が、幼稚園・保育所、小中学校関連でした。こうした中、上越市教育委員会では、児童や生徒に発熱やのどの違和感などかぜのような症状が出た場合は、登校させず、自宅で休ませたうえ、速やかにかかりつけ医などに相談するよう、保護者に呼びかけています。また家族に同じ症状がみられたり、さらに家族が濃厚接触者になった場合も、同様の対応となります。
4月、市内ではこんなケースがありました。ある家庭で児童が発熱し、のどの痛みを訴えたため、この日は学校を休み、医療機関で抗原検査を受けました。結果は陰性でしたが、この児童は大事をとり翌日も学校を休みました。
同居する家族に体調の変化はなかったため、児童のきょうだいが登校したところ、学校からは保護者に児童を迎えに来るよう連絡が入りました。
田邊さんは、こうした学校の対応は適切ではなかったとして、検査結果をもとに最終的に登校を判断するのは保護者だと話します。
上越市教育委員会 田邊道行副課長
「登校を控えてもらうということは、学校側が登校を禁止しているわけではない。最終的な判断は保護者。(学校と相談のうえ)検査を中心に判断してほしい」
田邊さんによりますと、市内の小中学校は市の教育委員会から同じ対応策が通達され、学校によって異なる対応が無いようにしているということです。何か、疑問や不安がある場合は、それぞれの学校の教頭先生に相談してほしいと話しています。
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