2022年03月31日 13:46更新
上越市頸城区から日本海に抜ける保倉川放水路が建設されると、家屋の移転や町内の分断が伴うことから、周辺のまちづくりをどうするか、話し合う会議が29日(火)に開かれ、今後は地域住民の声をよく聞いたうえ、建設計画に反映させることになりました。
これは、有識者や行政関係者などでつくる関川流域委員会がきのう開かれた中で明らかになりました。
保倉川放水路のルートは、頸城区の下三分一から県営南部産業団地の東側に沿って、夷浜と遊光寺浜の間を通り、上越火力発電所近くまでとするいわゆる「西側ルート」が、去年、委員会で妥当と判断され、決っています。
放水路は、大雨や台風などで保倉川が氾濫したとき、水害に対応するもので、総延長は3キロ、幅は100メートルほどとなります。
そのため、放水路の建設によって、「地域の分断」と「家屋の移転」を伴うため、まちづくりが課題です。29日の会議では、建設にあたる高田河川国道事務所が、水辺空間を生かした分断感のないデザインを検討しているなかで、3つの基本として、「地域のコミュニティ形成」「にぎわいの場の創出」「防災まちづくり」をあげました。
具体的には、通学路に配慮した歩道橋の設置、河川公園の整備、家屋の移転先は地区内で確保などとなっています。
これに対し、委員からは、小中学生や女性などの意見を早めに聞くことや、計画に関する情報を積極的に発信することなどの要望がありました。
高田河川国道事務所 吉田俊康副所長は「若い人からも聞きなさいと意見いただいた。みなさんとキャッチボールしながら意見交換しながら進めていきたい。造って良かった。地域が豊かになるような放水路を造っていきたい。」と話していました。
放水路には河口堰が無いため、通常は海水で満たされた状態になります。会議では、ルート沿いの地質や地下水、塩害の程度など、環境調査の結果も報告されました。
高田河川国道事務所では、今後、完成イメージ図を作り地域住民との意見交換に活用していくことにしています。
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