2022年02月11日 09:00更新
冬の味覚「寒ブリ」。佐渡市両津地区の鷲崎漁港で、サドテレビ アナウンサーの宿輪ゆきが寒ブリの漁船に乗り、漁を体験しました。
(宿輪)私が今回やってきたのは、鷲崎漁港。あたりはまだ真っ暗ですが、漁師さんたちは寒ブリ漁に出るために準備をしています。今回は特別に船に乗せていただき、漁師さんのお手伝いをさせていただきます!
時刻は6時40分。漁を行う定置網へ出港です!
(宿輪)風を切って走る船の船の上は、一段と寒く感じます。特に顔面が寒いです。
沖合から船でおよそ10分。漁を行う定置網へ到着です。
今回、私に漁を教えて下さるのは、鷲崎漁協の漁労長 山本勝さんです。
まず網を引いていきます。ずっしりと重たい網を腕だけではなく全身を使って引っ張ります。
定置網漁は、網が袋状になっていて、端から順にあげながら、魚を1か所に集めていきます。そして集まった魚を船の上に引き上げるという漁法です。この船では、およそ15人の漁師が、機械と手作業で網を引き揚げていきます。
私も少しでも力になれるよう懸命に網を引っ張っていたその時でした…
(宿輪)少しでも油断をすると、波に揺られている船の上だと落ちそうになってしまいますね。
(山本漁労長)落ちても定置網の中だから大丈夫。
いくら網があるといわれても、冬の海に落ちるわけにはいきません。落ちないよう気を付けながら網を引っ張っていきます。
(宿輪)下を向いて網を引っ張るので、だんだん船酔いしてきますね。
みなさんが手を動かす中、私は時折目を閉じたり遠くを見たり、なんとか船酔いを紛らわして、作業することおよそ30分。
ようやく網を引き上げ終わると、網の中には魚が…
(宿輪)網の中に魚がたくさんいます。果たして寒ブリは入っているのでしょうか?
網の中にはサバやカジキマグロが入っていました。
(宿輪)残念ながら、寒ブリは入っていないようですが、こんなに魚がバタバタしているの初めて見ました。あまりの迫力に少し衝撃を受けています。
今回網の中には、寒ブリはほとんど入っていないということで、別の定置網を引きあげることに。時折強く雪が降りしきる中、網を引き揚げることおよそ30分。
寒ブリが大量に水揚げされました。
(宿輪)なんて活きのいい寒ブリなんでしょう。
(宿輪)佐渡で揚がった寒ブリは「冬魚の王様」とも呼ばれ、 日本海を南下することで荒波にもまれたその身は締まりもよく、脂がのっていて、佐渡の冬の代表的な魚ですよね。
ここでみなさんお気付きでしょうか。私、宿輪が一回目の水揚げからいなくなったことを。実は、船酔いをしてしまい、漁師さんが頑張っている中、私は操縦室でずっと外を眺めていました。漁師さんの大変さを身をもって知ることができました。
寒ブリは新鮮な状態で市場に出すために、素早く水揚げをしていきます。そして水揚げが終わると港へ戻り、魚をトラックに積み市場へと向かいます。
市場では魚の選別や計量などを行います。ここからは内海府漁業生産組合の多田組合長理事に選別の仕方を教えていただきます。
ここで私に任されたのは大きさごとに分けていく作業。ポイントは鮮度が落ちないうちにセリにかけるため素早く分けていくこと。
(宿輪)この中に大きさの違うサバがあるんですか?
(多田組合長)そうなんです。よく見ると大きさが違うんですよ。
(宿輪。確かに大きさ違いますね
(多田組合長)魚は鮮度が命なので、できる限り手で触れる時間を少なくするために瞬時に大きさを判断することがポイントです。
(宿輪)なるほど。素早く仕分けていかなければならないんですね。
最初は見分けがつかずスローペースで作業していましたが、だんだんとコツをつかんできました。
そして大きさを分ける作業を終えると寒ブリの計量作業のお手伝いです。
こうして一つひとつ計量し、大きさごとに並べていきます。ずっしりと重い寒ブリを落とさないように持ちながら時折優しい漁師さんたちに場所を教えてもらい、運んでいきます。
(宿輪)本当に立派な寒ブリですね。両手で持たなきゃ、運べないです。
(宿輪)寒ブリを持つのは初めてなんですが、重いだけではなくツルツルとした魚体を持つのが大変ですね。
時折、休憩をはさみながら重さ9.9キロの寒ブリを抱えてひたすら運んでいきます。
これをおよそ10往復!漁師さんたちは、毎朝こんな力仕事をしているんですね。本当にお疲れ様です。
こうして全ての計量が終わるとセリにかけられ、翌日の朝には豊洲市場に並ぶということです。
これで全ての仕事が終了です。
時刻はお昼過ぎ。実は市場に行くメンバーのほかに、漁場でその日のまかないを作るメンバーもいます。今回お言葉に甘えてまかないもいただきました。
この日のメニューは獲れたての寒ブリのお刺身とサバの煮つけ、そしてタラと白子のお味噌汁です。
(宿輪)きょう獲れたての寒ブリ。脂がのっていてとっても美味しいです。そしてお味噌汁に白子が入っていてすごく贅沢ですよね。具材がたっぷりで冷えた体が温まります。
人生で初の漁師飯はどれも新鮮なお魚が入っていてとっても美味しかったです。
(宿輪)今回は寒ブリ漁の漁船に乗せていただき、どうやって寒ブリが水揚げされているのか間近で見ることができ、とても貴重な経験となりました。皆さんも佐渡の寒ブリをスーパーなどで見かけたら、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
佐渡テレビジョン
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