2021年11月27日 09:58更新
上越市の少子化が進んでいます。0歳から5歳まで、いわゆる就学前児童数は3年後に現在より900人も減る見込みです。こうした中、上越市は保護者の働き方に柔軟に対応し、子どもを預けやすい環境を整えようと、こども園の認定を進めています。来年度からは、市内の私立保育園・幼稚園、合わせて10園が認定こどもに移行する予定です。そのひとつ、高志保育園を取材しました。
上越市木田新田にある高志保育園。来年度から「高志こども園」に移行する予定です。園長の坪井秀和さんは、こども園になるのは避けられないと話します。
高志保育園 坪井秀和 園長
「上越市も1年に100人を超える子どもの出生数が減少、これはものすごい大きな衝撃」
「県内を見ても中・下越は、認定こども園への移行が進んでいる。上越は劣っていた」
市によりますと、今年度、0歳から5歳までの就学前児童は7610人で、これが3年後の令和6年度には、およそ900人少ない6707人となる見込みです。そうした中、市では私立の幼稚園、保育園のこども園への移行を進めています。こども園は、幼稚園と保育園の両方の機能があり、最大のメリットは、保護者が仕事を持っているかどうかにかかわらず、利用できることです。
上越市保育課 小山隆久 課長
「(保護者が)就労していなくて入れなかった保育園が、認定こども園へ移行することで入れるようになる。保護者の選択肢の拡大が期待される」
メリットはほかにもあります。こども園になることで私立幼稚園・保育園で、これまで条件を満たさなかった園児も受け入れることができるため、少子化の中、園の経営安定を計ることができます。高志保育園の場合、定員は166人ですが、今年度、恐れていたことが起きました。
高志保育園 坪井秀和 園長
「令和3年度は定員が7人欠けている。認定こども園になることで、保護者の選択肢が増える。園の運営も充実する」
こども園への移行は、主役の園児にとっても大きいメリットがあります。高志保育園では、これまで取り組んできた園児の創造性を育むプログラムを一層充実できるとみています。
高志保育園 坪井秀和 園長
「従来取り組んできた保育を、教育という視点で取り組む。(職員の)意識改革につながる。子どもたちの育成にもつながると期待」
現在、上越市内の私立保育園は17園、私立幼稚園は5園、合わせて22園あります。そのうち来年度から認定こども園になるのは、なかよし保育園、大曲保育園、高志保育園、聖母保育園、ひがししろ保育園、マリア愛児園、ほたる保育園、和同保育園、門前にこにこ保育園、真行寺幼稚園の10園です。
高志保育園 坪井秀和 園長
「人口減少は食い止められないが、受け止める。組織が弱体化すると保護者や教育に影響が出る。今後も定員割れを考えたときに、保護者・お客様から信頼される園・職員でなければ。保育園の品格を高めないと、施設運営が持続可能ではなくなる。法人として将来をどう歩むか、統合も考えるべきか。行政の力も借りながら取り組みたい」
市では今回の10園だけでなく、今後もこども園への移行を認めていく方針です。
上越市保育課 小山隆久 課長
「保護者のみなさんに選んでもらえる活動を行うことで、上越市全体の幼児教育・保育の質が上がることを期待している」
10園の認定こども園への移行は来年3月に正式に決まります。なお来年春には、公立保育園4園の民営化も予定されています。
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