2021年11月01日 18:29更新
任期満了に伴う上越市長選挙が31日(日)に投開票され、元市議会議員で新人の中川幹太さんが、前の副市長で新人の野澤朗さんを破り初当選しました。中川さんは1日(月)、上越市役所で当選証書を受け取りました。
「嬉しさよりも課題が山積。12月議会、3月議会があり、予算も決めていかなければいけない。追われるようにはなりたくないが、やることはたくさんある。責務が重い」
開票の結果、中川幹太さんが5万4954票。野澤朗さんが4万6354票を獲得。8600票の差で、中川さんが新人同士の一騎打ちを制し、2度目の挑戦で初当選を果たしました。中川さんは現在46歳。上越市になってからは、最年少の市長となります。 投票率は前回よりも1.75ポイント高い66.09パーセントでした。
「大きな組織に頼らなくても協力すれば勝てることが実証された。新しい選挙をつくらなければいけない。今の世の中は非常に厳しい状態。皆さんの協力のもとに市政をつくっていく」
一方、野澤さんは、午後11時20分頃に会場入りし、中継の映像を静かに見つめていました。
「応援していただいた皆さんに結果を残せなかったことは申し訳ない。お返しする機会があるかわからないが、生き様のなかでお返しできれば。生まれ育ち、学び、働いた上越が光り輝く町になるよう祈っている」「一人で決断したことが、これだけ大きな動きに、短い間に4万6000人から票をいただいた。ありがたくうれしいこと。一市民としてになるかわからないが、いい町になるよう応援したい」
一夜明けた1日、中川さんは記者会見に応じ、はじめに取り組むべき課題について「まずはコロナ対策。経営的に厳しいところをが潰れないように救いたい。また災害対策も迅速に取り組む」と話しました。
また、選挙中にしがらみのない政治を目指すと訴えた中川さんは、今後、経済・建設業界などの関係づくりについて次のように話しました。「当選したからにはノーサイド。共に歩んでいくための信頼関係をつくりたい」「副市長は、職員や退職した職員にお願いする予定。すぐにではないが、最終的には4人を考えている」
中川さんは今後、1年間は準備期間として人事改革を行い、公約実現に向けた体制をつくるとしています。
なお、村山市長は今回の結果を受け「この度の選挙結果は、市民一人ひとりが熟慮の末、選択したものと受け止めています。上越市を取り巻く課題は数多く、喫緊に取り組まなければならない課題も少なくありません。市民の付託に応え、上越市の発展に向けご尽力いただくことを願っています」とコメントしています。
今回の選挙戦では13区のまちづくりが争点の一つとなりました。ここで興味深いデータをご紹介します。「16年前の市町村合併は効果があったのか?」市民にたずねたアンケート結果です。アンケートは立命館大学を中心に、地域社会について研究している大学教授のグループが今年2月、上越市民1000人を対象に行いました。
その結果、上越市の合併を評価すると答えた人は31.9%にとどまり、評価していないと答えた人は23.9%、どちらともいえないと答えた人は41.4%でした。
また「合併後のまちづくりが進んだか」という質問には、43.8%の人が感じないと答え、感じると答えた人は16.5%にとどまりました。
さらに、地域協議会の存在を知らない人が全体の4割、さらにイベントや祭りなど、地域づくりのための地域活動支援事業を知らない人は6割を超えました。
中川さん
「公約でも『地域内分権』を掲げている。地域にどういう課題があり、どういった事業が必要なのか。地域協議会を含めた地区住民で考え、市の職員も加わり、まずは小さい予算を組み立て実績を上げてもらう。各地域が競争しながら上に向かう、地域内分権を目指したい」
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