2021年10月22日 18:28更新
この夏、2か月間にわたって、上越市直江津地区で開かれた現代アートのイベント「なおえつうみまちアート」の取り組みをふり返る実行委員会が22日に開かれました。
委員からは、うみまちアートをきっかけに地元と来場者との間で交流が生まれたことや、イベントに合わせたスタンプラリーの実施によって、商店街の売り上げが伸びるなどまちが活気づいたとして、委員全員が今後の継続を求めました。一方で、地元が主役になれたのか、直江津祇園祭などと連動しもっと地元の文化や歴史を感じる内容にすべきなど、意見が相次ぎました。
「なおえつうみまちアート」は、上越市、良品計画、頸城自動車が協力し、4月に実行委員会を立ち上げ、8月1日からおよそ2か月にわたって開かれました。期間中は、国内外で活動する現代アート作家8組が、船見公園周辺の海岸や安国寺通りなど、4か所に作品を展示しました。
また、作家が講師を務めるワークショップも開かれました。さらに、地元の商店街連合会では商品券が当たるスタンプラリーを実施しました。実行委員会では、スタンプラリーの事業費として120万円を補助しました。
期間中の各会場への来場者は、前日祭を含めのべ2万2176人でした。内訳は、市内が75.7%、上越市を除く県内が13.6%、東京圏や長野などを含む県外は10.7%です。
来場者に行われたアンケートによりますと、回答者のおよそ9割が「直江津の景観や文化などに魅力を感じた」と答えています。また、直江津のショッピングセンターや飲食店など、会場以外にもおよそ9割が立ち寄っていたことが分かりました。
委員からは「来場者用のリストバンドを着けている人をまちなかで見かけると、声がかけやすかった」、「イベントが新しいアート団体の立ち上げや、新しいイベントの実施につながった」、「スタンプラリーが集客につながり、売り上げが5倍に増えた店もあった」など、町おこしに一定の効果があったとしています。
一方で「地元は運営の手伝いに回り、主役になれたのか」、「地元の作家や学生の作品も展示すべき」、「直江津の歴史や文化を見せる工夫が必要」など、多くの課題も残りました。
なかでも、7000万円の事業費について、どのような効果があったのか。1000万円を超える作家への委託費を精査すべきなど、事業費を踏まえた効果を検証すべきという声がありました。
そのうえで、今後のイベント開催については、事業規模を縮小したり開催を2年おきにするなど、負担を減らしてでも継続するべきとしています。
実行委員会の山田知治会長は「大々的ではないけれども、続けた方がいいという意見が多い。無理がない形で、地元の人や高校生に参加を求めるなど、参加者を増やして関心度を高めたい」と話していました。
市では今回の意見を踏まえ継続すべきかどうか、検討することにしています。
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