2020年10月30日 19:13更新
直江津・小木航路の高速カーフェリー「あかね」の売却とジェットフォイルへの入れ替えに先週、同意した上越市の村山市長は、30日に開かれた上越記者クラブとの懇談会で、佐渡汽船が経営再建を目指して行政に支援を求めていることに対し、大株主である県の対応を見極めたうえで、市からの支援を判断したいと話した。
「あかねが就航した頃、佐渡の人たちが地元の石田眼科へあかねに乗って診療受けて帰った。それ以前ならフェリーでは当日帰れず、高田で一晩泊まらないといけなかった。あかねなら当日帰れたという画期的な話を当時聞いた。そんな話をした記憶があるのもたった5年前…」と村山市長はつぶやく。
佐渡汽船はコロナ禍で旅客数が大きく落ち込み、今年度12月通期の業績予想は27億円あまりの大幅な赤字、決算では債務超過になる見通し。上越市は佐渡汽船の経営再建へむけて、提案されていた直江津・小木航路の高速カーフェリー「あかね」の売却とジェットフォイルへの入替えについて、23日に県庁で開かれた4者会談の中で同意している。
さらに佐渡汽船は年度内の債務超過解消へむけ、県をはじめとした行政からの支援を求めている。これに対し村山市長は「佐渡汽船が経営的に安定していない。コロナのせいとコロナ以前の問題もある。行政支援の金額がどのくらいになるのかも分からないが、会社が確実に債務を無くせるのか見通しがないと行政支援は難しい」と認識を示した。
さらに村山市長は高速カーフェリーからジェットフォイルに入れ替えた場合、天候などに運行が左右されるとして、観光面への影響を懸念した。またジェットフォイルを利用した観光客について、小木に着いた後のバスやタクシーなど、2次交通を確保する必要があるとして、県の考えをしっかり確かめたいと話した。
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