2020年09月29日 18:12更新
稼働から80年が経つ上越市の板倉発電所で、22年ぶりとなる大掛かりな点検作業がはじまった。
発電所では、関川から引き込んだ水を60ⅿの高さから毎秒20トンの勢いで落とし、4台の発電機を回している。出力は9.810キロワット、一般家庭3,270世帯分の年間使用量に相当する。
運転がはじまったのは1939年、81年前のこと。点検作業は今月中旬からはじまり、4つある発電機のうちの1機で分解点検が進められている。点検は水車の一部に摩耗が見られてことから、実施される。
東北電力上越発電技術センターの田名部幹雄所長は「運転開始当時から使い続けている部品もあるが、ていねいに使えばまだまだ使える。80歳過ぎているが100歳以上使える」と話していた。
発電に使った水は無駄にしない。農業用水として上江用水と中江用水に供給される。しかし2年前、導水管の近くで地滑りが発生したため、約1年間水が流せない事態となった。発電ができなくなった上に、用水の水が足りずに、代かきや田植えに影響がでた。
その後の復旧では、石の入った大型の鉄かごを導水管に沿って設置するなどして、地すべりの影響をうけないよう対策をとった。
田名部所長は「関川水系の発電所は農業と一緒に発展してきた共存共栄型。発電所の安定運転は水の供給の安定につながる」と話していた。
板倉発電所の点検は農業用水が使われる前、来年2月には終わる予定。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.