2020年02月12日 18:28更新
上越市本町にある高田世界館は、映画の上映だけでなく地域づくりに取り組んできた活動が評価され、このほど大手旅行会社JTBの交流創造賞優秀賞を受賞した。支配人の上野迪音さんは「地域になじむイベントを今後も続けたい」と意欲を見せている。
高田世界館は、1911年(明治44年)に芝居小屋として開業し、大正時代から映画館となった。一度は廃業に追い込まれるが、2009年NPO法人「街なか映画館再生委員会」が運営を引き継いだ。
NPOでは、市民とともに作る映画館を目指した。ただ映画を上映するだけでなく、婚活や映画の内容にあわせた子ども食堂との食イベントなどを企画したほか、コンサートや落語など、さまざまな分野に手を広げた文化活動を展開してきた。
上野支配人は「地域の活力を引き上げたいが、映画にこだわると狭めてしまう。どのジャンルでも人が呼べるように ジャンルにこだわらず市民の関心集めたい」と話す。
こうした取り組みが浸透した結果、昨年度の入館者は引継ぎ当初の10倍近い1万7,000人にのぼった。世界館の存在は、町づくりにも影響を与えた。
これは世界館のそばにあるカフェ、「世界ノトナリ」。映画を観た後、くつろぎの場が欲しいと世界館のボランティアスタッフが開いた。
このほか、世界館の近くに町家を改装した民泊施設ができたことで市外からのイベント参加者が泊まるなど、まちづくりに画期的な広がりが生まれている。
さらに去年は上越市が高田世界館の前にある広場を取得したことから、NPOがその運用を受託、縁日やあおぞら市などを開いて、にぎわいを生み出した。上野支配人は振り返って「広場の縁日は人が来るのかと思っていたが予想を上回った。広場の活用は、子どもに向けた縁日やビアガーデンなど、映画とはあえて絡ませない。裾野を広げる意味がある」という。
こうした取り組みがまちの活性化につながっているとして、先月、大手旅行会社JTBの交流創造賞優秀賞を受賞した。4回目の応募で手にした入賞だった。「街なか映画館再生委員会」では、町づくりをもっと盛り上げようと、来年度以降も世界館前の広場を活用していくということ。
※ご覧の記事の内容は2020年2月12日(水)JCVニュースLiNKで放送予定(TV111ch)初回18:30
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