2017年03月10日 17:29更新
国の文化財保護審議会が10日に開かれ、上越市板倉区田屋の「鴨井家住宅主屋(かもいけじゅうたくしゅおく)」と「鴨井家住宅土蔵」を国の登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。官報告示を経て正式決定となる。
(板倉区田屋 鴨井家住宅主屋)
大きな茅葺屋根の鴨井家住宅主屋。建物はこの地で庄屋を務めた農家の家として江戸末期に建てられた。敷地面積は約1,650㎡で、本屋(ほんおく)は4方向に傾斜する茅葺屋根が特徴の寄棟造り(よせむねづくり)。
(12代目当主 鴨井久一さん)
鴨井家の現在の当主は12代目の久一(きゅういち)さん82歳。久一さんは学生時代までこの家で過ごし、現在は東京に住み日本歯科大学の名誉教授をしている。
本屋は、現代の生活に合わせて昭和45年と平成2年に改修されたが、ほとんどが江戸時代のまま残されている。
(床の間・違い棚などの座敷飾りを備える奥座敷)
(奥座敷に飾られた板垣退助の書 久一さんの祖父宛に書かれたもの)
昭和13年に建てられた土蔵は、戦時中には軍事用品の倉庫としても使用されていたという。蔵の2階には久一さんの祖父の名前と共に建築した年も残されている。
(鴨井家住宅土蔵)
久一さんは「一度離れて帰ってくると安らぎや帰ってきたなと感じる。文化財に指定されたことは大変光栄で嬉しい。今までの文化を伝えていくことが大事。これからも古いものを大切に維持していくことが大事」と話している。
この登録により上越市内の国の登録有形文化財は26件になる。