2017年01月06日 16:15更新
アメリカのシェールガスから生産された液化天然ガスLNGが6日、国内で初めて中部電力の上越火力発電所に輸入された。輸入元では、LNG価格の安定化とともに原油価格に左右されないアジア独自のLNGの価格指標につながるものと期待している。
6日午前8時過ぎ、報道陣が見守るなか直江津港に巨大なLNG輸送船が到着した。積んでいるのは、アメリカで急激に増産が進み、エネルギー革命をもたらしたシェールガスから生産されたLNG。日本に輸入されるのはこれが初。
輸入したのは、東京電力と中部電力の発電所で使う燃料を調達する会社JERA(ジェラ)。同社よると、現在アジアでのLNGの価格は原油価格に連動して決められているが、アメリカ産のLNGの多くは、アメリカ国内のガス市場価格に連動しているため、原油価格の変動に左右されず価格が安定する可能性があるということ。
また、一般にアジア向けのLNGは第三者への転売が認められていないが、今回輸入したLNGには、こうした制限がない。アメリカ産のLNGがアジア市場に入ることで需給バランスと連動した適正な価格が誕生すると期待されている。
JERAが調達するLNGは現在年間で約3,500万トンから4,000万トン。アメリカからの輸入が本格化する来年からは、全体の1割がアメリカのシェールガスから生産されたLNGになる見込み。
このLNGは発電用だけでなく、まもなく自由化される都市ガス事業にも使われる可能性があり、国内の市場にも影響を及ぼすと見られている。なおJERAが受け入れるLNGの施設は直江津港を含め全国に8か所ある。今回は運行の都合で直江津港になったということ。
※2017年1月6日 ニュースLiNKで放送 18:30~