2017年11月28日 17:48更新
外食や中食用のコメ不足が伝えられる中、JAえちご上越は新品種「つきあかり」の増産方針を打ち出した。計画では来年度の作付面積を今年度の10倍にあたる600haを目標にして、管内の農家に栽培を呼びかけている。
「つきあかり」は北陸地方の環境に適した品種として開発され、収量性が高いのが最大の特徴だ。今年度、県が栽培調査した結果では、10aあたり684Kgの収穫があった。コシヒカリは601Kgだった。(上越農業普及指導センター)
消費者として気になる味はどうなのか?日本穀物検定協会の試験では、コシヒカリと同じかそれ以上、香りも粘りも十分あるという。特に4時間保温後の味はコシを大きくリードする結果に。
農林水産省の試算では、全国で業務用米が130万トン不足しているという(H28年度産)。一方、家庭での消費が主なコシヒカリはこの10年で価格が下がる一方だ。あの魚沼産ですら2割以上安くなった(農林水産省)。来年度からはいよいよ減反も廃止されるわけで、農家のコメ作りは大きな転換期に入る。
JAえちご上越の石山忠雄常務理事は、『新潟は50年間コシヒカリ一辺倒であり、それは作った米をどう売るかだった。これからは買って頂くものをどう作るかに変わらないと…農家と一体で取り組みたい。』と話す。
はたして、「つきあかり」で農家はもうかるのか?
JAえちご上越の試算では、10aあたり13万5300円を見込む。これはコシヒカリの12万1550円より1万円以上も高い。現在、来年度の作付目標600haに対して450ha分の申込みがあるという。石山常務理事は、『今年度栽培した60haは県外に完売した。業者の要請に応えようとすれば、目標の600ha以上、1000haでもいい。販路はまちがいなくある!』と自信をみせていた。
拡大推進大会に参加した農家のひとりは、『おなじ早生品種のこしいぶきより収量が多いというので代えて栽培してみたい。まずは1haからやってみる。』と話す。
不足といわれる業務用米だが、すでに大競争時代に入っている。全国各地で品種開発がすすみ、今や40品種がひしめいているという。JAえちご上越の取り組みには地元・上越市や妙高市、新潟県がバックアップ、大会ではコシヒカリとちがう管理方法などが紹介され、農家は熱心に聞き入っていた。
粒が大きく、味もコシヒカリに負けない「つきあかり」、ごはん好きの消費者としては早く食べてみたい、一般販売ものぞみたいところだ。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.