2025年03月08日 09:00更新
去年1年間に上越警察署管内で発生した特殊詐欺の被害は14件、5500万円ほどと前の年と比べ半数ほどに減りました。警察では詐欺を防ぐ取り組みが市や民間と協力してできた成果としています。一方でSNSを利用した詐欺被害が7600万円にのぼり、前の年と比べて9倍に増えていることから、警察では注意を呼びかけています。
上越警察署によりますと、去年1年間に管内で発生した特殊詐欺の被害は14件、5553万円でした。前の年の令和5年と比べ被害件数は12件、被害額は4000万円ほど減りました。
上越警察署の被害は令和4年と5年、県内の警察署管内ごとでは最も多く、去年は市や金融機関などと協力して未然に防ぐ取り組みを強化してきました。具体的には手口が書かれたチラシを作り、管内にあるコンビニエンスストア70軒ほどを一軒一軒回り手渡ししました。また手口を確認するチェックリスト付きの封筒を作りました。封筒はコンビニで電子マネーカードを買った人にカードを入れて渡しています。
また、市では固定電話の通話を録音する装置を台数制限なしにして5年間、無料で貸し出す取り組みを始めました。その結果、被害を未然に防いだ件数は23件になり、県内の警察署ごとでは最も多くなりました。
上越警察署生活安全課 本多和利課長
「官民一体となってやった成果。コンビニ店員も意識を高めてもらい、被害を未然に防止したケースもたくさん」
一方で大幅に被害額が増えているのがSNSを利用したいわゆる「投資詐欺」と「ロマンス詐欺」です。「投資詐欺」は著名人の写真や名前を悪用し、「必ずもうかる」などとうその投資の話しを持ちかけます。「ロマンス詐欺」は外国人や海外に住んでいるとかたる人物がSNSのやり取りを重ねて恋愛感情や親近感を持たせ、金をだまし取ろうとします。
上越署管内では去年、SNS型詐欺被害は6件でおよそ7600万円にのぼりました。前の年の3件、843万円と比べ大幅に増えています。SNS型詐欺は、特殊詐欺と比べて1件あたりの被害額が大きくなっています。また狙われる年齢層は特殊詐欺が50代後半から60代前半が中心なのに対し、SNS型詐欺は30代から50代が中心で、より幅広い世代が被害にあっているのも特徴です。
上越警察署生活安全課 本多和利課長
「SNSを通じて投資はもうかる。誤った認識を持って犯人の指示通りにお金を振り込む傾向が多い。スマートフォンが普及したことで年代は若返っている。詐欺は決してお年寄りだけが被害に遭うものではない。他人事とは思わず自分事ととらえて、十分に防犯意識を持ってほしい」
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