2025年02月06日 14:10更新
雲をイメージした壁紙。そして部屋のいたるところに鳥の飾りが取り付けられています。まるでアートのようなこの住宅は上越市大手町にあります。10年ほど空き家になっていましたが、今月1日から観光客などが利用する民泊施設「浮遊のいえ」として活用されています。
「浮遊のいえ」は上越市立大手町小学校前の信号から80メートルほど南にあります。テーマは「浮遊」です。住宅は2階建てで、リビングには雲をイメージした壁紙が貼られています。またドアや壁の一部には丸みを帯びた窓があり、壁紙のデザインとつながるように作られています。さらに吹き抜けの手すりや窓などには鳥の飾りが取り付けられています。また、高田のような豪雪地帯の住宅は雪が積もって部屋の中が暗くなりがちになるため、外の光を取り入れるため、複数の窓が設けられています。窓の一部には鳥のイラストがすりガラス状にデザインされています。鳥の色は白いため、雪が積もると見えなくなり、雪解けが進むと見えて春の訪れを感じられる遊び心が盛り込まれています。デザインしたのは大阪市の梅田スカイビルや十日町市の越後妻有交流館キナーレなどを手がけた建築家、原広司さんです。義理の父のためにおよそ40年前に建てたもので、10年ほど前から空き家になっていました。この家を観光客などが利用する民泊施設として活用しようと考えたのが、去年東京都から移住してきた久野遼さん28歳です。東京大学で建築学を専攻していました。
久野さんは学生時代「雁木」に興味を持ち、総延長が日本一とされる上越市を何度も訪れていました。その後、上越市の雁木が気に入り、移住を決めます。住む場所を探そうと、学生時代から縁のあった一般社団法人「雁木のまち再生」に相談すると「雁木のまち再生」が管理しているこの住宅を教えてもらいました。
久野さんは住宅の活用方法を考えた時に「民泊は町の案内人のような存在。原さんの作品に触れてもらいながら上越の案内ができる一つの拠点になりたい」と事業をはじめたということです。民泊施設の活用に向け給湯器を入れ替えたものの、そのほかはほぼ建築当時のままです。宿泊は一棟貸しで最大4人まで利用できます。素泊まりで4万円からです。
久野さんはエリア開発などを手掛ける東京の会社員ですが、この住宅に住み、リモートで働きながら住宅を管理します。今後については「原さんの作品や文化を愛している人に利用してもらいながら上越の良さを発信して地域に貢献していきたい」と話していました。すでに、中国からのスキー客が3泊しました。このあともアメリカからの観光客などインバウンド利用が多くなる見込みだということです。久野さんはウェルカムドリンクとして地酒を用意するなど利用者に上越の良さをアピールしていきたいと意気込んでいました。
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今月と来月には地域の人に向けた内覧会が開かれる予定です。
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