2024年10月15日 13:27更新
能登半島地震で津波被害があった直江津地区で12日(土)、上越市総合防災訓練が行われました。市や町内会では自力で避難することが難しい人を車に乗せて安全な場所に運ぶ手順などを確認しました。
訓練は午前8時、上中越沖を震源とする地震が発生し、上越市で震度6強を観測、県内に大津波警報が発表された想定で行われました。参加したのは直江津地区29町内会の住民およそ1900人と市や消防などです。参加者は津波から逃れるため、指定避難所21か所や高台などを目指しました。
上越市では能登半島地震のあと、原則徒歩としていた避難の方法を見直し、高齢者など自力で避難ができない要支援者に限り、車を使うことを検討しています。訓練では4つの町内会56人が車を使った避難の手順を確認しました。
港町の経塚浩さんと章子さんの夫婦は津波が発生した場合、要支援者を車に乗せて逃げることになっています。
この日、経塚さんは要支援者を乗せたあと、2キロほど南にあるイチコ直江津店の駐車場まで移動しました。この駐車場は能登半島地震のあと車の避難先になっています。
要支援者
「小学校に避難してもエレベーターは使えないから屋上には上がれない。いつも良くしてくれる近所の人が迎えに来てくれるので安心。でも震災の時、居なかったら自分だけで避難になる」
経塚さん夫婦
「ここまでの避難も橋を渡ってくるので怖い。旧古城小学校の避難所の方が近いので小学校に避難したい。雪がある時は車庫から車が出せないし課題は山積み」
経塚さんたちが大津波警報のあと要支援者を乗せて駐車場に移動するまでかかった時間は15分でした。今回、車を使った人のうちおよそ6割が15分以内に避難しました。
上越市防災士会直江津支部 泉秀夫会長
「15分はギリギリ…車を運転する人が早く出発してくれて車に乗る人も早く玄関に出ていてくれれば時間が縮まる。訓練でどれだけ縮められるか、縮められれば2人乗せられるかもしれない」
訓練後には町内会の役員などが参加するワークショップが開かれ、課題などを共有しました。それぞれの町内会では今回の訓練結果を踏まえ、町内ごとの津波避難計画を見直す予定です。
上越市防災士会直江津支部 泉秀夫会長
「車での避難が今後拡大していくと思う。助けようと思った善意が時間がかかり過ぎて共倒れする。そのデメリットをどうやって減らしていくかが今後の課題」
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