2024年07月03日 18:13更新
治水対策として国が進めている上越市の保倉川放水路整備計画について、検討を進めている専門家などによる委員会は、今年1月の能登半島地震を受けて、新たに津波対策や防災施設などについて検討する部会を設置することになりました。
これは3日(水)に開かれた専門家などで構成する「関川流域委員会」で決まりました。
保倉川放水路のルートは頸城区の下三分一から浮島などを通り、最終的に上越火力発電所近くの夷浜から海に至る計画で、総延長およそ3キロ、幅は最大で115メートルの想定です。
委員会では、去年12月中旬から今年1月末にかけてインターネットや住民説明会などを通じて、現在の計画案について、地元住民から意見を募った結果、延べ139件の意見が寄せられました。このうち18件が地震や津波の対策などに関するものでした。
委員会では、今後整備する放水路への津波遡上による被害を心配する声が上がっているとして、津波対策などを踏まえた治水対策や、災害に強いまちづくりについて検討する新しい部会を立ち上げることになりました。具体的には、防災やまちづくりを専門にする大学の教授など9人がメンバーとなり、洪水や地震、津波などによる被害の最小化に向けて、避難の在り方や防災施設などについて検討します。
国土交通省高田河川国道事務所によりますと、放水路が整備された場合の津波による被害の想定では、数百年から数千年に一度の最大クラスの津波で、農地や住宅などを含めたおよそ95ヘクタールが浸水すると見られています。
最終的な保倉川放水路の整備計画は、能登半島地震を受け当初より1年遅れとなっていて、今年度中に決まる予定です。
高田河川国道事務所 桶川勝功 副所長
「地域住民に示しながら段階を踏んで整備計画の熟度を上げてきた。そのスタンスは変えずに計画を進めていきたい」
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