2024年06月04日 13:22更新
先月東京で開かれた日本最大級の公募展「国展」で、上越市牧区に住む益子康平さんの彫刻作品が最高賞の「国画賞」に輝きました。作品のモチーフは上越市立水族博物館うみがたりで飼育されている国内最高齢のゴマフアザラシ「ジロー」です。
これがゴマフアザラシの彫刻作品「ジロー」です。上越市牧区に住む益子康平さんの作品で、先月開かれた日本最大級の公募展「国展」で最高賞の「国画賞」を受賞しました。6回目の応募で初の快挙です。
益子康平さん
「作品が大きかったので期待していた。受賞の連絡をもらったときはすごくうれしかった」
素材には牧区産のケヤキを使用しています。高さ2.3メートル、幅はおよそ70センチの丸太を半年ほどかけてノミやチェンソーで削りました。
元の木の形状を生かし、コブがあった部分をジローの頭にし広がっていた根の部分をしっぽにしました。益子さんによりますと、実寸大ではないものの、大きな1本の丸太を削りだしたことや、自然の形状を生かした作品づくりが評価されたということです。
またアザラシの体のやわらかさを表現するため、削り方を工夫したということです。
益子康平さん
「堅い素材に対して柔らかい生き物を表現したかった。(毛並みを表現するため)ノミで掘る方向や深さをそろえた」
益子さんは、神奈川県出身で上越教育大学大学院の美術コースで彫刻を学び、大好きだったジローのほか、人や動物をテーマに彫刻に取組んでいます。卒業後は上越を離れましたが、2年前に再び上越市に移り住み、久々にジローがのびのびと泳ぐ姿をみて、懐かしさとうれしさが沸き起こり、この作品を手がけたということです。
ジローの彫刻作品はこれが4体目です。
益子康平さん
「(ジローに)再会して『あっ』という思い。少しくたびれた感じはあったが、学生のときに見ていたジローだと感じ感動を覚えた」
作品づくりでは、地域の人から木材やチェーンソーなどの道具を譲り受けたり、協力があったということです。今後は牧区に生息する生き物をモチーフにした作品づくりに取り組むということです。
作品の「ジロー」は今年8月から開かれるなおえつうみまちアートで展示される予定です。
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