2024年05月07日 15:23更新
そっと見守ってください
国の特別天然記念物コウノトリの卵が上越市吉川区でふ化しヒナが誕生しました。県内では初めてだということで、市では巣に近づかないよう呼びかけています。
6日に撮影 映像提供:橋爪法一さん
今月6日に撮影された映像です。親鳥が田んぼなどでとってきたカエルなどのエサをはきだして、ヒナに与えていると見られています。
巣は先月上旬、吉川区の農道にある電柱の上にあることが確認されていました。撮影したのは観察を続けてきた地元の橋爪法一さんです。映像をコウノトリの野生復帰に取り組んでいる兵庫県立コウノトリの郷公園の専門家に送り「ふ化した」と判断されました。
日本のコウノトリは明治以前には各地に生息していましたが、乱獲や環境の変化により53年前の1971年に絶滅しました。その後、2005年から試験放鳥が繰り返されてきました。コウノトリの郷公園によりますと、去年の時点で兵庫県や京都府など13府県でふ化が確認されています。新潟県内でふ化が確認されたのは、これが初めてです。
橋爪さんは「吉川区ではコウノトリが4~5年前から飛来していたが、巣を作ったのは今年が初めて。2か月ほどでヒナが巣立つというので、大切に見守っていきたい」と話していました。
市では、保護のため巣の詳しい場所を明らかにしていません。見つけても近寄らず、近くを通る際も立ち止まらずに通り過ぎるよう呼びかけています。
6日 巣の様子
市ではコウノトリは「野鳥」であるという前提のもと、一定の距離を保ち、以下の点に注意してほしいと呼び掛けています。
①静かに見守る
コウノトリの観察・撮影などは150m以上(自動車の中からは 100m 以上) 離れて行ってください。
②地域に迷惑をかけることはやめる
観察する際は、無断で私有地や農地に立ち入ったり、農道に駐車して通行の妨げにならないようにしてください。
③繁殖期には巣に近づかない
子育てに悪影響を与えることがあります。コウノトリの巣には近づか ず、巣の近くを通る際は立ち止まらず通り過ぎるようにしてください。
④餌を与えない
一度、野外のコウノトリに人間が餌を与えてしまうと、自分で餌を探さ なくなるだけでなく、人間を攻撃したり交通事故に遭ったりするなどの恐れがあります。
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