2024年02月12日 17:04更新
雪国の知恵、ヨイサー!
切り倒した木を雪の上を滑らせて山から下ろす伝統の技、「大持引(だいもちひき)」の再現が16年ぶりに上越市桑取地区で行われました。
「大持引(だいもちひき)」は、冬に山の木を切り倒し、雪の上を滑らせて山から下ろす雪国ならではの伝統の技です。今から50年ほど前まで中ノ俣地区で行われていました。
NPO法人かみえちご山里ファン俱楽部 石川正一理事長
「重機がない頃、家を建てるとなると親戚が集まって20人ぐらいで製材所に持っていける車のところまで人力でおろしていた」
雪国の知恵を後世にも伝えていこうと、中ノ俣地区の住民が中心となって2003年から5年間続けてきました。しかしその後は、地区の高齢化により続けることが難しくなっていました。今回、中ノ俣地区で活動するNPO法人「かみえちご山里ファン倶楽部」とくびき野森林組合が協力し、16年ぶりに復活させました。
くびき野森林組合の横田力組合長は「小さい頃見たことあっても実際にはしたことがない。今は重機で作業。こうした知恵を学ぶことは組合員にとっても良いこと」と話します。
切るのは樹齢60年ほどのスギの木です。作業には経験者3人を含むおよそ50人が参加しました。
まずはくびき野森林組合がチェンソーで切り倒し、枝を落としていきます。その後、木にロープをくくりつけ、「二本ゾリ」に乗せます。このあと参加者が木の前と後ろに分かれます。前は引っ張り、後ろはブレーキの役割です。参加者は「ヨイサー」という掛け声をあげながら運びました。
スギの木は長さ約4メートル、直径約60センチあり、重さは約700キロ。方向を変えるだけで一苦労です。
全員で「ヨイサー」と声をかけあいながらゆっくりと進みます。
木は1時間ほどで運び終えました。
見学者
「斜面でスピードが出てしまう中でケガをしないように調整しながら進んでいるのを見て大変だなと思った」
かみえちご山里ファン俱楽部の石川理事長
「16年ぶりで不安もあったが、無事に目的地まで持ってくることができたので感無量。みんなで力合わせて生活することの大切さを感じてもらえると。」
かみえちご山里ファン倶楽部では来年以降も再現を続けていきたいと話していました。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.