2023年10月29日 19:47更新
東京電力柏崎刈羽原子力発電所での重大事故を想定した防災訓練が29日まで3日間行われました。上越市では原発から半径30キロ圏内に含まれる吉川区や大島区などの住民が参加し、マイカーなどで避難する訓練が行われました。一方、事故に大雪が重なった想定の訓練は、机上だけにとどまり、住民参加がなかったことで、住民からは不安の声も聞かれました。
訓練は国と県が連携して行ったもので、柏崎市などで震度6強の地震が発生し、柏崎刈羽原子力発電所から放射性物質が放出された想定で行われました。
上越市では、原発から30キロ圏内、いわゆるUPZ、避難準備区域にあたる柿崎区、吉川区の全域と大島区、浦川原区、大潟区の一部およそ1万3000人が避難の対象となります。
29日は柿崎区、吉川区など4つの地区から住民およそ100人が参加しました。
住民は、防災無線などで事故を知ったあと、30分ほど屋内に退避します。続いて、防災無線の指示に従い、マイカーやバスを使って、直江津港南埠頭緑地公園へ移動し、移動放射性物質の汚染がないかを調べるスクリーニングを受けました。
検査員は、体や衣服を調べたほか、移動に使われた車のタイヤやワイパーなども細かく測定していました。
この日、マイカーなどで避難した人は全体の3分の1でした。これまでは主にバスを使っていましたが、今回はより現実的な対応になりました。
上越市原子力防災対策室 太田浩幸室長
「有事の際は乗用車で避難が圧倒的に多い。そうした内容を組み込めて、無事に終わったことはほっとしている。今回の訓練を時間をかけて検証し、必要な内容は加えていきたい。時間をかけて検討していきたい」
参加者
「福島での事故を見ていると風向きも重要な情報だと思う。そうした想定も訓練に組み込んでくれるといい。地域を限定して訓練を行うことは大切」
「雪の中の避難を想定すると難しいところも多いと思う。訓練に参加したことで避難の流れは確認できたのでいい。でも雪を考えるとこわい」
大雪と事故が重なった想定の訓練は、2日目、柏崎市にある柏崎刈羽原子力防災センターで非公開で行われるに留まりました。
参加したのは、国や県などの関係者で、上越市の職員などは含まれていません。上越市によりますと、机上訓練の内容などは、今のところ知らされていないということです。
上越市 中川市長
「大雪、夜間、地震、津波などいろんな条件でどう対応するか、市は予測してやっていかなければ。訓練を繰り返して積み重ねていくしかない」
今回の訓練では、初めて柏崎市からの参加者も加わり避難所の振り分けなどが受け入れ態勢なども確認されていました。
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