2023年05月23日 17:57更新
国の雇用助成金を不正に受給していた上越市皆口の「くわどり湯ったり村」について、上越市は新たな指定管理者として、観光施設などを運営する長野市の会社「オーガニックリゾートホールディングス」を選びました。会社ではコンプライアンスに基づいた健全な経営を目指すとともに、今後は桑取地区の食材を使ったメニューの開発など、里山の環境に根ざした施設の運営を地域と話し合うことにしています。
新しい指定管理者についての議案は、23日(火)に開かれた上越市議会の臨時会に提案され議決されました。
「くわどり湯ったり村」などを管理運営する上越市の第3セクター「リフレ上越山里振興」は去年、コロナ禍による雇用関係の助成金およそ4100万円を不正に受給していたことが分かりました。これまでに不正に関わった職員2人が懲戒解雇され、不正受給した「雇用調整助成金」の返還が進められています。
こうしたなか市は「リフレ上越山里振興」の指定管理を今月末で取り消し、長野市に本社をおく「オーガニックリゾートホールディングス」を新たな指定管理者に選びました。この会社は長野県小布施町や須坂市などで温泉宿泊施設の管理運営や観光施設のコンサルタント業務にあたっています。
市によりますと、新しい指定管理者の公募には「オーガニックリゾートホールディングス」のほか、上越市内の2社が手を挙げましたが、いずれも温浴施設を運営した実績はなかったということです。
中川市長
「温浴施設の運営やコンサルタント業務の実績がある。管理運営に関するノウハウを生かし、サービス向上、経費縮減を図るなど、安定的で適切な管理運営が可能だと判断」
「オーガニックリゾートホールディングス」の管理者としての指定期間は、来月1日から令和7年3月末までの1年10か月です。その間の指定管理料は8670万円ほどで、市が公募で示した基準料を670万円下回りました。
文化観光部 阿部俊和 部長
「(応募があった)3社で一番低い額。サービス低下は好ましくないなか、施設の運営経験、ノウハウの活用で経費縮減が図れるのではないか」
市によりますと来月2日、会社の代表などが谷浜桑取地域振興協議会のメンバーと会って、地元食材を使ったメニューの開発など、里山の環境に根ざした施設の運営について話し合うということです。
中川市長
「地産地消の取り組みや、住民、地元企業との連携を図る提案があった。市も会社と協調して地域との振興を図っていきたい」
一方、「リフレ上越山里振興」が管理運営していたもうひとつの施設、上越市大貫のレストラン「ヨーデル金谷」は、不正受給に関与していない従業員が新たに立ち上げた会社「ミーナハライペ」が来月1日から指定管理者となります。
なお、「リフレ上越山里振興」は、労働局から返還を求められている不正受給した雇用調整助成金およそ4100万円のうち、今月23日までに3500万円を返還していて、残りは今年12月に支払う予定です。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.