2022年12月22日 18:27更新
上越市の第三セクター「リフレ上越山里振興株式会社」が雇用関係の助成金を不正受給していたことを受け、市は会社が運営する「くわどり湯ったり村」と「ヨーデル金谷」などを来月5日から休館することを明らかにしました。また、返還金や延滞金については会社の役員が負担する方向であることも分かりました。
産業観光交流部 阿部俊和 部長
「具体的には1月5日(木)から休館するよう市として通知をした。それに基づき会社か役員会で決定した」
雇用関係の助成金を不正受給していたのは、上越市の第三セクター「リフレ上越山里振興」です。県労働局によりますと、リフレ上越は運営する「くわどり湯ったり村」、「ヨーデル金谷」などの施設を、営業していたにも関わらず、休業したと嘘の申請をして、雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金あわせて3915万あまりを、令和2年4月から2年あまりにわたって、不正受給していました。
くわどり湯ったり村
ヨーデル金谷
こうしたなか上越市は22日の定例会見で、施設を1月5日から休館するとしたうえで、会社の処分について小田副市長が次のように話しました。
小田副市長
「例えば一部の企業で社員の不正行為があった場合、その企業が続くかどうかが一つの判断だと思う。弁護士の調査の中で責任の所在がはっきりすることを受け、市として正式な処分をしないといけない。市としては税の負担を下げる方向を考えている。その中で民間から現段階よりも有効な活用方法があれば、そこについて意見を聞きながらお願いする方向も考えていく」
そのうえで、小田副市長は以前から施設の民営化や譲渡を検討していたと話しました。
小田副市長
「市としては無くすことは想定していない。活用の方法として指定管理者か民間か、いろんな手法を検討する」
一方、中川市長はこの件で多くを語りませんでした。
中川市長
「(調査は)1月中旬には終わるのではと言われているが分かりません」
産業観光交流部 阿部俊和 部長
「出来るだけ早く調査を完了するようお願いしている状況。調査結果がいつまでというのは確定していない状況」
中川市長
「出来るだけ急いでやるようには伝えている」
一方、この問題について定例会見のあと、市議会が全員協議会を開きました。議員からは今回の不正受給について、状況が明らかになっていないとして、会社の詳しい決算報告や不正に受け取った助成金はどう使われたのかなど、質問が相次ぎました。
産業観光交流部 阿部俊和 部長
「(不正受給分)どこにいったか現在調査中。どういう形で使われたかも把握していない。現在調査してもらっている」
今回判明した不正受給の返還金は、3915万円だけでなく、3パーセントの利息や延滞金などをあわせるとさらに高額になる見通しで、会社役員が負担する方向が示されました。しかし、議員からは支払いの責任は誰がもつのか質問が上がりました。
施設経営管理室 竹下智之 室長
「役員に資金提供を求めるのか、弁護士の調査結果をもとに検討。会社の役員の立場なので一定程度、損害賠償請求などの役員の責任も求められてくる」
これに対し議員からは指定管理者を選定する市にも少なからず責任があるのではないかと声が出ました。
議員
「取締役は全員充て職。金谷地区、桑取地区、漁業組合長など(責任を問えるのか?)」
小田副市長
「取締役は(市に)お願いされて務めてもらっている。今の判断とすれば申し上げた通り(取締役に請求を求められる)」
一方、今回の不正受給が新潟労働局の調査で発覚したことを受けて、市の調査ではわからなかったのかという質問もありました。
産業観光交流部 阿部俊和 部長
「(労働局は)社会福祉労務士が関わっていないところを調査している。その結果、たまたまここが調査されて不正が発覚した」
小田副市長
「出勤していなかったはずの従業員の研修がある日行われていた。ここはおかしいということで(労働局が)調査に入った」
市では今後、返還金への対応や法人の処分などについて弁護士などの調査結果を踏まえ、早急に検討することにしています。
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