2022年09月23日 22:53更新
レルヒ少佐が上越市で、日本で初めてとなるスキーを伝えてから111年。上越市立歴史博物館では企画展「日本スキーの黎明」が開かれています。
和服に身を包んだり、浴衣を着て箸で食事する姿のレルヒ少佐です。
企画展「日本スキーの黎明」はスキー伝来から110年となった去年、上越市が所蔵するスキー関連資料297点と一本杖スキー術が市の文化財に指定されたことをうけて開かれました。
会場にはレルヒ少佐の指導の様子から高田のスキー倶楽部のはじまりやスキーの生産や文化が上越を中心に全国に広がった関連資料など54点と写真パネルが展示されています。
なかでも、見どころのひとつは中学校の体育教員がレルヒ少佐のスキー講習を受けたときのメモです。当時スキー技術だけでなく用具の管理や片づけ方まで細かく指導された様子がわかります。このメモは先月新潟市の持ち主が市に寄贈しました。
またレルヒ少佐の描いた絵や直筆の日記、手帳も展示されています。博物館の荒川将学芸員は「レルヒが高田にいた頃に出かけた記録や滞在中の出来事がはっきり記されている。日本の文化や慣習をすごくい観察したことも記されていて、深く日本を見つめたレルヒの姿がよく書かれている」と話します。
これはわらぐつで履けるスキーです。考案したのは、スキー術をマスターした将校のリーダー、山口十八です。
これは木製スキーの先端を熱で曲げる「はなまげ機」です。考案したのは地元の額縁屋でした。
企画展では日本独自のスキー文化が市民に根付いていった様子も知ることができます。荒川さんは「この上越市が日本スキーに関する様々な事柄のの始まりの場所だったこと、レルヒの撒いたスキーの種がこの地で大きく花開いていった様子もぜひ知ってほしい」と話しています。
企画展「日本スキーの黎明」は12月4日まで上越市立歴史博物館で開かれています。10月8日と11月20日には学芸員による展示解説会も開かれます。
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