2022年08月30日 18:55更新
上越市の中川市長は来年度から地域活動支援事業を廃止します。その代わり、来年度から自治区ごとに「地域独自の予算」を導入する方針です。この制度では地域協議会に限らず、やる気があれば、誰でも地域づくり活動の取り組みを市に提案できるようになります。
制度ががらりと変わるなか、一体、地域づくりはどうなるのでしょうか?地域での話し合いがどこまで進んでいるか?混乱はないのか?
高田区地域協議会では地域づくりへの取り組みや予算の提案はせず、住民団体などの自主性に委ねることを決めました。
青田川での桜並木の整備…そして瞽女唄の演奏会…どれも高田区の地域活動支援事業です。
昨年度は1240万円の予算が市から配分され、地域づくり事業など13件が実施されました。
もっとも補助金が多かった上位3つは…
① 陀羅尼八幡での紅葉のライトアップ
② 高田城復元模型の展示会
③ 雁木の風鈴街道や雁木写真コンテストなどです。
まちづくりの一翼を担ってきた地域活動支援事業…
中川市長の方針で、来年度から廃止となります。代わりに、市長は自治区ごとに「地域独自の予算」を配分する方針です。(流れは下の図を参照)
今年度は、その中に「元気事業」と名付けた予算枠があり、9月末までに地域協議会に案を提出するよう求めています。締め切りが1か月後に迫るなか、高田地域協議会での議論はどこまで進んでいるのでしょうか?
本城文夫会長は、「我々はまったく進んでない。地域から元気事業のアイデアを拾い上げるには時間的なことやら、政策的な能力が必要。委員の能力の範囲ではなかなか難しい」と話します。
ここまでに、高田区の地域協議会では、活動実績のある住民団体などに今後どうしたいか、ヒアリングを行ってきました。それをもとに、地域づくりはどうあるべきか、熱い議論を重ねています。しかし、なかなか結論はでません。
委員「高田区の場合は本当めんどう。(地域独自の予算では)ハード整備事業が全く関われない。これでは高田は活性化しない」
委員「民間と行政が共同で議論した方が本物になる。行政だけでやると沈んでいくのでは」
「地域独自の予算」でこれまでと大きく変わること。
それはやる気がある住民団体であれば、誰でも地域づくりの事業や取り組みを直接、行政に提案できることです。これまで地域協議会は、地域活動支援事業の審査と採用を担ってきました。それが無くなり、来年度から誰でも提案できるとなれば、地域協議会の役割は変わるのでしょうか?
本城会長「結局今までの地域活動支援事業は地域が主体だったけど、それが今度は市役所の審査に引き上げられた。我々地域協議会の任務は結構軽くなったけど、市の方がそれに応えられる体制があるのかということが一番の大きな課題」
結局、高田区地域協議会としては、来年度の予算提案を見送り、ほかの住民団体の自主的な動きを見守る事になりました。その一方で、本城会長は地域独自の予算を作る前に、もっと大事なことがあるといいます。
本城会長「(個々の事業の前に)高田の活性化はどうするか。(全体の)地域計画をどうするか考えていかなければ。地域から『宝』を出して来いと言われても我々みたいな広域的なところでは…」
「地域協議会メンバーでは能力もないし、時間的余裕もないし、行政マンじゃない。そこはある程度、行政の方で地域全体を掌握しているわけだから、方針を出して地域協議会と相談しながらやりましょうなら、我々も協力しなきゃいけない」
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