2022年03月23日 18:48更新
上越市直江津地区にある「市民いこいの家」の入浴施設の廃止をめぐって、上越市は新年度から、住民の理解をもとめて丁寧に説明していくとしていましたが、それに先がけて中川市長は23日、観光施設ではない福祉関係の温浴施設は廃止する考えを明らかにしました。
これは23日の市議会一般質問で、市長が答えて明らかになりました。上越市石橋にある「市民いこいの家」には日帰りの入浴施設と貸しスペースがあります。利用の多くは入浴施設ですが、老朽化と維持コストなどで毎年、市が約2000万円の公費を投じています。このため市では入浴施設に限り、今年度で廃止する方針を示しましたが、諮問を受けた直江津区地域協議会は「廃止は住民の暮らしに支障がある」と答えました。そのため、市は今年度中の廃止を撤回し、新年度から住民に廃止への理解をもとめて、丁寧な説明を重ねていくとしていました。事実上、入浴施設は来年度も利用できます。
そうした中、一般質問では議員から「廃止の結論ありき」ではないのかという質問がありました。中川市長は厳しい財政状況の中、インフラコストはどこを削るか選ばなければならないとした上で、次のように答えました。
中川市長「私たちの至上命題は人口を増やさなければならない」「地域の宝を見つけ出して、若者を定着させるための職業を生み出すこと」「いまのいこいの家を存続することで人口は増えない。人口を増やすためには産業活性化しなければならない」「私の言いたいことを言わせてもらうが、福祉関係の温浴施設は廃止に向かって進めたいと思っている」
あわせて福祉部の笠原浩史部長は、いこいの家の入浴施設は1か月あたりの利用者のうち、いわゆる常連は155人ほどだと話し、新年度からは廃止という方針をもった上で、これまで以上に幅ひろい地域の住民に説明をしていきたいと答えました。
このほか名立区にある日帰り温浴施設「ろばた館」について、地元の地域協議会が施設を廃止せず、存続してほしいという内容の意見書を提出したことを取り上げて、議員がこの施設も廃止ありきなのかと質問しました。これに対し、農林水産部の空周一部長は、ろばた館の利用実態や老朽化の状況を踏まえながら、「地域と行政で引き続き協議していきたい」と答えました。
上越市は人口減少や財源不足から、公の施設の見直しを進めています。日帰り温浴施設については、ろばた館をふくめ、「くわどり湯ったり村」「吉川ゆったりの郷」など8つの施設が対象になっていて、市は施設の存続や廃止について、継続協議とする方針を打ち出しています。
<継続協議の対象施設>
・大潟健康スポーツプラザ鵜の浜人魚館・吉川ゆったりの郷・ろばた館
・くわどり湯ったり村・牧湯の里深山荘・柿崎マリンホテルハマナス
・いたくら保養センター(やすらぎ荘)・三和ネイチャーリングホテル米本陣
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