2021年11月12日 12:19更新
佐渡で48年ぶりの関取誕生となった朝乃若関。14日に初日を迎える秋場所を前に、稽古に励む様子を佐渡テレビジョンの風尾アナウンサーが取材しました。
(風尾アナ)「私がやってきたのは、東京都のJR浅草駅から徒歩 20分ほどのところにある高砂部屋です。ここに佐渡出身力士、朝乃若関が所属し、日々稽古に励んでいます。現在朝の8時ですが、すでに稽古が始まっているようです」
激しい稽古が行われている高砂部屋。現在までに横綱6人、大関8人を輩出するなど、名門部屋として知られています。そしてこの中で稽古しているのが佐渡出身力士、寺沢改め朝乃若関です。
東幕下筆頭で迎えた先月の秋場所で5勝2敗と勝ち越し、十両に昇進。佐渡出身力士で48年ぶりとなる関取となった朝乃若関。3年前にこの高砂部屋に入門しました。
稽古のメニューは、基本である四股とすり足、申し合いとぶつかり稽古の4つです。
高砂部屋には現在2人の関取がいて、現在は黒い回しをつけている朝乃若関も11月から関取として白い回しをつけます。朝乃若は先輩にも果敢に技を繰り出すなど練習にも力が入っています。
鋭い眼差しで稽古を見守るのは、高砂部屋の高砂親方です。現役時代の四股名は朝赤龍 太郎(あさせきりゅう たろう)。元横綱、朝青龍とともにこの部屋で稽古に励んできた元関脇です。親方の言葉に力士たちに緊張感が走ります。
稽古を終えた朝乃若関
「つっぱったり引いたり、色んな動きをする稽古は楽しいです。親方には最初の立会いをしっかり当たりなさいと言われているので懸命にやっています」
同部屋の力士
「(朝乃若関は)稽古中で一番熱い相撲を取りますね。普段とギャップがあっていいと思います」「お茶目なキャラクターで日本相撲協会に新しい風を吹かせて欲しいです」
稽古の合間には講演会などで贈る手形を取ります。
稽古終わり、シャワーを浴びた朝乃若関。力士の象徴である髷を結っていきます。
力士の髷には、髪をちょこんと結うちょんまげと、髷の先をイチョウの葉のように広げた大銀杏(おおいちょう)の2種類があります。
大銀杏は十両以上の力士が本場所や公式行事の時のみ許される髷です。11月の秋場所で見られる朝乃若関の大銀杏姿、楽しみです。
そして厨房からはいい匂いが……行ってみると大きなお鍋に20人前のロールキャベツが。パスタも 2キロ。炊くお米は 4升。茶碗3杯にちゃんぽんや、ほかのおかずも、どんどんおかわりしていくという力士たち。
(風尾アナ)「体重を増やす食事の秘訣ってあるんですか?」
(同部屋の力士)「バランスよく、ゆっくり食べることです。新弟子などは、お腹がいっぱいになる前にと急いで食べることが多いですが、逆に痩せていくことの方が多いです」
稽古での緊張感とは一転。ひとつの大家族のように食卓を囲むアットホームな高砂部屋。
おちゃめな朝乃若関はカメラ目線のファンサービスも
身長182㎝、体重122㎏という小兵の朝乃若関。体重を増やすのに苦労したといいます。
(朝乃若関)「なかなか食べても太らなくて、ご飯を一杯でも米一粒でも多く食べようと頑張っていました。まだまだ体が小さいので1kgでも2㎏でも太れたらなと思います」
十両昇進までも体作りに力を入れた朝乃若関。一番一番の勝利のカギは、力士みんなで囲む日々の食卓にあるようです。
相撲に取り組む子どもたちには、こんなアドバイスをいただきました。
(朝乃若関)「僕も体が小さいのでつかまったらダメだなと。どんどん動いて、はたいて、はたいて、はたきまくったらいいと思います」
小柄だからこそ俊敏な動きを磨いてきた朝乃若関。高砂親方は「スピードがあるので、そのスピードをもっと生かして攻める相撲をとれればと思います。来場所から新十両ですが、今からですからね。今より 2倍、3倍と努力しないとと思っています」と期待を寄せています。
(風尾アナ)「48年ぶりの佐渡での関取誕生ですが、お気持ちいかがですか?」
(朝乃若関)「佐渡の皆様に喜んでいただける元気一杯の相撲をお届けしたいと思います。まずは目の前の勝ち越しを目指して、上にはまだ幕の内という番付があるのでそれを目指して頑張りたいです。沢山いい相撲を見せるので応援よろしくお願い致します。」
48年ぶりの佐渡での関取誕生、そしてこれからの活躍をみんなで応援していきましょう。
佐渡テレビジョン
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