2021年09月28日 08:00更新
科学技術分野の未来の人材を育てるスーパーサイエンスハイスクールの全国発表会で、県立高田高校理数科の3年生チームが、奨励賞に輝きました。
左:小川香樹実さん 右:小関茉依さん
奨励賞を受賞したのは、高田高校理数科3年の小川香樹実さん、小関茉依さんの2人です。2人は、4月の校内選考を経て、8月に神戸で行われた全国の研究発表会に出場。参加した217校の中で奨励賞に選ばれました。これは7位から12位に相当する成績で、県内の高校ではトップでした。
「キチン」のシートと粉末
受賞した研究は、カニやキノコなどの細胞壁を作る「キチン」の加工方法です。キチンは、人工皮膚や吸収性縫合糸の医療用素材に活用される一方、溶けにくい性質があり、加工しにくいとされています。2人はキチンを溶かす媒体を探り、その活用の幅を広げたいと考えました。
研究では、キチンの粉末が溶ける溶媒を調べ、それを用いてシートに加工。さらに、製品化されている既存のシートと作成したものの強度や構造などを比較しました。
研究は去年7月から始め、溶媒を数十通り組み合わせて100回近くの実験を、およそ一年間重ねてきました。結果、ジメチルアセトアミドという溶媒にリチウムイオンを組み合わせたものが、最も安全でよく溶けることが分かりました。
小川さん「医療に役立つ研究がしたかった。キチンは一般的には馴染みのないものだが、溶かすという基本の操作から始めて、実物を作れたのが今回の研究のポイント」。
小関さん「研究は私たちの中では終わったが、まだ考察しがいのある部分も多い。例えばシートへの加工方法などは、一回だけでは失敗もある。発表会で先生方からアドバイスをもらったから、後輩が引き継ぎ進めてくれれば、より新しい発見が見つかり、医療の発展につながるのでは」
なお、高田高校がスーパーサイエンスハイスクールの全国発表会で入賞するのは、3年連続になります。
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