2021年04月02日 02:00更新
上越市にあるユニークな現代建築「斜めの家」を、上越総合技術高校で建築を学ぶ生徒が1日に見学し、先達の仕事に大いに刺激を受けていました。
「斜めの家」を訪れたのは、上越総合技術高校の部活動、建築設計部の6人です。部では普段、設計コンペやモノづくりコンテストに応募していますが、今回、現代建築にふれることで見識を深めようと訪れました。
斜めの家は、直江津出身で国内外で高い評価を受けた建築家の渡邊洋治が、晩年に手掛けたもので、妹夫婦のために設計しました。
建物は文字通り、斜めの外見を基調にしたユニークなものです。2階建てながら、階段はなく、部屋と部屋がスロープでつながれています。
この日は、斜めの家の修復保存活動に取り組む市民団体「斜めの家再生プロジェクト」のメンバー中野一敏さんが説明を引き受けました。中野さんは、海軍出身の渡邊洋治が、艦船のイメージを取り込んで設計したとして、斜めの家も潜水艦をイメージしていると紹介しました。さらに出身地に建てたことで、思い入れが強い作品だと解説しました。
建築設計部の植木日菜部長は「一つ一つの部屋に段差があって個別の空間ができている。でも、スロープによってつながっている。この一体感が自分の作品作りの参考になる」と話していました。
生徒は見学の後、家の掃除に取組みました。中野さんは、掃除をするとより深く作品を知ることができると話します。
建築設計部顧問の小林教諭は「空間の中に身を置くことで窓からの光や細かいディテールを学べる。教室から出てこうしたところで学ぶことは大切」と話していました。
斜めの家再生プロジェクトの中野一敏さんは「建築家の忘れられた冒険がこの建物には残っている。若い人たちがここから新しい冒険を始めてもらえればうれしい」と話しています。
斜めの家再生プロジェクトでは今後も定期的に見学会を開き、斜めの家の価値を多くの人に伝えていくことにしています。
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