2021年03月01日 20:01更新
ステイホームの特効薬!
毎年恒例の小川未明フェスティバルが28日に上越市で開かれました。今年のテーマは、孤独なもの同士が出会う「山の上の木と雲の話」です。
フェスティバルで今年のテーマに選ばれたのは、未明作品「山の上の木と雲の話」です。この物語は、山の上の1本の木が美しい雲に出会い、心を通わせた後、再会を約束します。しかし木は動けないため、雲に会えない寂しさに耐えながら、時を過ごすという内容です。イベントではこの童話を俳優の如月せいいちろーさんが朗読しました。
また主催者がフェスティバルにあわせて童話の読書感想文を募集したところ、県内から31点が寄せられました。そのうち大賞を受賞した稲田小学校4年、大谷久人さんの感想文は、今年の大雪で身動きがとれなかった状況を、主人公1本の木に重ねた内容です。受賞者は以下の通りです。
■大賞
大谷久人さん(稲田小4)
■優秀賞
白砂陽菜さん(和田小2) 伊藤笑心さん(美守小5)
■杉みき子賞
武藤杏奈さん(豊原小4)
■佳作
五味川光さん(戸野目小5)大林結羽さん(戸野目小6)閏間吏香さん(豊原小4)
重野美咲さん (豊原小4)清水結巳さん(豊原小4) 徳橋来介さん(豊原小4)
早津乃々果さん(豊原小4)森田 華さん(豊原小4) 安原 輝さん(豊原小4)
■内田エネルギー科学振興財団賞
栗山りささん(戸野目小6)莅戸幸太朗さん(豊原小4)服部ななかさん(戸野目小6)
審査に当たった上越教育大学の小埜裕二副学長は「山の上の木と雲の話」が発表される前にスペイン風邪が流行ったことをあげ、未明は感染症で2人の子どもを失ったことを紹介しました。そのうえで「コロナ禍の下で移動を禁じられた人は、この童話に登場する木と同じ位置に置かれた。私たちはステイホームで移動できなくなったとき、受身であらざるを得ない社会的弱者の孤独や忍耐を覚えた。一人待ち続ける木の姿は、これからのポストコロナの時代に取り残される人々の思いを代弁しているように思える。排除なき共生を目指す手かがり、不確かな時代を生きていく手がかりを未明文学は与えてくれる」と話しました。
またこの日は童話をテーマにした創作フラメンコも披露されました。なお予定されていた合唱団グルポ・カントールによる新作合唱曲の発表は、感染症対策で取り止めとなり、練習動画の公開となりました。
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