2021年02月09日 09:36更新
記録的な大雪で上越地域の山沿いでは、例年以上に雪崩が心配されています。雪崩はどんな場所でどのように起きるのか? そのメカニズムについて、妙高市にある「雪崩・地すべり研究センター」にお話を聞きました。
平成15年、糸魚川市柵口地区で起きた雪崩です。ここでは、35年前の昭和61年、大きな雪崩で13人が亡くなりました。また、妙高市燕温泉地区では、平成18年、平成23年に雪崩が起き、建物被害が出ています。
妙高市にある雪崩・地すべり研究センターでは、雪崩が起きる条件や場所について調査、研究しています。
センター所長の判田乾一さんは「雪崩がどういう形で起きているのか、意外にデータとして分かっていない。昔から(雪崩)予測の研究もしているが進んでいない」と話します。
手掛かりのひとつが、積もった雪の層の変化です。センターの敷地内では、雪質、粒の形、固さ、重さなど8つの項目について、10年前からデータを集めてきました。この冬は、去年12月25日から10日ごとに観測をしています。この日の積雪は、1メートル82センチ、10日前に比べ、40センチほど増えていました。
行っている研究は雪がどういう構造になっているかを知るための基礎データを集めるもので、硬度を計測することで、どの辺の雪が危ないかがわかるそうです。
3次元化された雪崩発生現場(妙高市樽本地区)
これは、雪崩のあった場所をドローンで撮影し、3次元モデルにすることで、雪崩の起きる地形を分析したものです。主任研究員の奥山悠木さんは「(この雪崩は)道路から500メートル離れていて、人の到達が難しい場所だが、ドローンの活用で全容把握ができた。全層雪崩の発生域は高さ40メートル、幅20メートル。発生場所の勾配は45度で、雪崩は特に45度付近で発生しやすい。発生しやすい条件が3次元化することで判明した」と解説しました。
判田乾一センター所長は「ドローンでデータを取りやすい環境になり、デジタル処理も早くなった。それらを活用しながら、予測・危険度の把握や研究をしたい」と今後について話していました。
センターでは、研究データを随時、ホームページに公開しているほか、県などを対象にした雪崩対策指導に生かしていく方針です。
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