2017年05月31日 09:53更新
農業の担い手として、都会の若者に上越市に移住してもらおうと、市は去年から2泊3日の農業体験を始めている。上越市浦川原区の山本ぶどう園では、東京都在住の男性が31日まで、農作業を体験している。
農業体験をする東京在住の男性
東京でインターネットメディアのライターをしている30歳の男性。自然が好きで農業に憧れがあり、これまでに長野県や山梨県、静岡県などの果樹園で農業を体験してきた。男性は体験を通じて、好きなワインの原料となるブドウ栽培をしたいと考えるようになり、ぶどう園での農業体験に参加した。
ぶどう園では良い実を作るために、房についた余分な実を落とす作業や、つるを支柱に留める作業、芝刈りなどを行う。
「実際に作業して、論理的な考え方では勤まらない。現場の考え方、応用の仕方を学びたいので、いい体験になった」と話す。
農業体験は全国的な人口減少と少子高齢化から農業の担い手不足が懸念されている。農林水産省によると、上越市内の農家は6年前は約8,200軒だった。昨年度までに1,400軒減り、現在は約6,800軒。
上越市では農業の担い手を確保しようと、気軽に農業を体験してもらおうとこの事業をはじめた。体験の参加資格は上越市外に住む50歳未満の人で、2泊3日の日程で体験する。
これまでに8人が参加し、このうち1人が上越市に移住して就農した。
今回、この男性を受け入れた山本ぶどう園でも組合員の高齢化が進んでいる。15年ほど前の会員数は30人だったものの、高齢化が進み、現在は24人。栽培面積も9ヘクタールから7ヘクタールに減少した。
山本ぶどう組合の大久保 勇治組合長は「経営者の高齢化が進んでいる。若い人が引き継いでくれれば、組合としてもありがたい」と、希望者の受け入れを前向きに捉えている。
男性は時期は決めていないものの2年以内に移住したいと考えている。この先「死ぬ間際まで自然とふれて農業をやれれば」と、生涯にわたって農業に携わりたいと夢を語った。
上越市 農林水産部農政課の廣田祐一副課長は「若い人に上越市に移住していもらい、次の時代の担い手として活躍してくれることを希望している」と話している。
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